転職したいと考えたとき「働きながら転職活動ができるだろうか」「今の会社よりもいい転職先が見つかるのか」などと不安に思ったことはありませんか?また、無事に転職先が決まっても「新しい職場になじめない」「仕事を覚えるのが大変」など、新たな不安の種も出てくるかもしれません。

転職自体がストレスの多い行動ですが、転職にまつわるストレスも含めると、転職前から転職後までさまざまなストレス要因があると言えます。そこで本記事では、転職に関するストレスについてご説明し、ストレス要因が少ない職場を探すコツをお伝えします。

  • 転職にはどのようなストレスが伴うのでしょうか

ストレスの要因「ストレッサー」とは

ストレスの要因になる物事を「ストレッサー」と呼びます。ストレッサーには大きく4つの種類があります。

(1)物理的ストレッサー……温度や騒音などが該当します。

(2)化学的ストレッサー……酸欠や薬害、栄養不足などが該当します。

(3)生物的ストレッサー……病原菌による病気などが該当します。

(4)精神的ストレッサー……人間関係のトラブルや精神的な苦痛・不安・怒り・緊張などが該当します。

日頃ストレスを感じるときの多くは、精神的ストレッサーによるものだと言われています。仕事にまつわるストレスも、この精神的ストレッサーによるものがほとんどです。

いまの仕事や会社・職場について「給与が少ない」「会社に将来性がない」「残業が多い、休日が少ない」「人間関係が悪い」といったストレッサーがある場合、改善されない限り長期的にストレスを感じ続けることになります。

ちょっとしたストレスであれば、ストレスを発散したりストレッサーを取り除いたりすることで対処できます。しかし、長期的なストレスや大きなストレスは、心身の不調や病気につながる可能性があります。

「いつもの自分と違う」「気分が落ち込む」「趣味などが楽しめなくなった」「食欲が過度に減少もしくは増加した」「寝つきが悪い」「途中で目が覚める」「疲れやすい」「集中力がなくなった」といった症状が2週間以上続く場合は、早めに精神科や心療内科で相談しましょう。

そこまでの不調が現れていないとしても、仕事上のストレッサーが多く、ストレッサーを取り除くことも難しいと判断した場合に、転職を検討するのは妥当なことと言えるでしょう。

転職にまつわる情報収集時の注意点

転職の理由には「専門知識・技術を習得したい」「経験や知識を積みたい」「市場価値を上げたい」といった前向きなものがあります。

しかし、前向きな転職理由であっても、転職後のことを想像し「職場でうまくやっていけるのか」「新しいことをすぐに習得できるのか」「高い評価を得られるか」など、さまざまな要因からストレスがかかるのではと心配してしまうかもしれません。

転職後を心配すること自体は正常な反応ですので、そこまで気にする必要はありませんが、情報収集には注意が必要です。インターネット上は玉石混淆で、さまざまな情報が飛び交っています。自分の会社や業界に関する情報や評判を目にすることもあるでしょう。もちろん有益な情報もありますが、特にSNSの投稿などには事実と違う情報や個人の主観による情報もあります。心配なのはわかりますが、誤った悪い情報を鵜呑みにしないように気をつけましょう。

また、いまの職場から離れたい一心であまり検討せずに早急に転職先を決めてしまうと、転職後のイメージがつかず不安になることもあります。いざ転職してみて、ストレスが多い職場だったと後悔する事態は避けたいですよね。そこで、転職後のストレスを未然に防ぐ意識で、ストレスが少ないと予想できる職場を選ぶのがおすすめです。

ストレスの少ない職場を探すコツ

どのようなことがストレッサーになるのかは人によって違いますが、ストレスの少ない職場には、次のようなポイントがあります。

・仕事量が過大あるいは過小ではない
・仕事量に合わせた作業ペースの調整ができる
・よい人間関係が保たれている
・将来や昇進・昇級の機会が明確である
・職場での意志決定への参加機会がある
・仕事の役割や責任が明確である
・仕事の意義が明確にされている

また、会社が従業員のメンタルヘルスを大切にし、ストレスを減らすように職場環境の改善や、相談対応などの取り組みを積極的に行っているかどうかも、ポイントのひとつです。

こうしたポイントがしっかり整っている会社・職場かどうかを判断するために、求人情報、職場見学などでしっかりとチェックをし、面接時に質問してみるのもよいでしょう。

入社前に職場のすべてを把握することは難しいですが、上記のポイントを意識しながら転職先を探すことで、ストレスの少ない職場が見つかる可能性は高くなると言えます。

新天地でストレスを軽減させるためのポイント

転職した当初は「自分が期待されているのではないか」と過度に反応しがちです。入社時には「試用期間」という、その職場に馴染んでいくための時間を設けている会社もあります。誰しも最初から周りと同じレベルの仕事はできませんから、焦らずにまずは「報告・連絡・相談」という仕事の基本を徹底しましょう。

また、「できる・できない」をはっきり伝えることも重要です。職場には上司をはじめとして、あなたよりも仕事に長けた人がいます。無理をして引き受けた仕事が結局できないとなってしまうと、人としての信頼を失うばかりでなく時間のロスによって会社に損害を与える可能性もありますので注意が必要です。

そして、ストレスを抱えない方法を学ぶことも自衛策となります。例えばメンタルヘルス・マネジメント検定試験Ⅲ種(セルフケアコース)では、自らのストレスの状況・状態を把握することにより早期から不調に気づいて自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる方法を学べます。このようなスキルやノウハウを準備しておくこともポイントとなります。

まとめ

転職にはさまざまなストレッサーがありますが、人生をよりよくしていくために必要なことでもあります。なるべくストレスの少ない職場を選ぶために、ご紹介したポイントを意識してみてください。

また、よい転職先が見つかった場合でも、変化自体がストレッサーになるとも言われています。転職できたら、変化というストレスがかかっていることをふまえ、ぜひご自身の体と心のケアをしてあげてくださいね。

参考 :
(※1) 厚生労働省「こころの耳」
(※2) 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針