節約のために、水道光熱費やインターネット料金などの固定費を見直すという方は多いのではないでしょうか。毎月発生する固定費を少しでも削減できれば、その後は毎月一定額の節約効果を得られるためです。

料理に洗濯、お風呂、トイレなど、水は私たちの暮らしとは切っても切り離せません。普段、何気なく使っている水道ですが、使い方を見直すことで、思わぬ節約効果が得られるかもしれません。

ここでは、一般家庭の水道代の平均額や、水道代の計算方法について解説します。また、環境にも家計にも良い影響が期待できる節水のコツについても紹介します。

水道代の平均値はいくら?

まずは、1カ月あたりの上下水道料金は一般的にどれくらいなのか、一人暮らしの場合と2人以上の世帯の場合で、それぞれ見ていきましょう。

■2019年における1カ月あたりの上下水道料金の平均値

単身世帯 2人以上の世帯
2,120円 5,044円

※総務省「家計調査年報(家計収支編)2019年 (令和元年)」

総務省の「家計調査年報(家計収支編)」によると、単身世帯における2019年の1カ月あたりの上下水道料金は、平均2,120円でした。一方、2人以上の世帯は平均5,044円となっており、単身世帯のおよそ2.4倍です。

水道代は、2カ月に1度のペースで請求される地域が多いため、1回の請求額で見ると、一人暮らしの方は4,000~4,500円程度、2人以上の世帯の方は1万円程度なら、平均的な水の使い方ができていると考えていいでしょう。

日々の生活で使う水はどれくらい?

国土交通省の「目的別家庭用水使用量の割合」調査によると、2015年度における日本人の生活用水の使用量は、1日につき1人あたり284Lでした。浴槽1杯分を超える量の水を、毎日使用していることになります。

国民1人あたりの生活用水の使用量は、水洗便所の普及や生活様式の変化とともに、1900年代から2000年代にかけて大幅に増加したといわれています。

また、東京都水道局の調査によると、一般家庭における水の使用方法の割合は、次のとおりです。

■目的別・家庭用水使用量の割合

  • 目的別・家庭用水使用量の割合

    目的別・家庭用水使用量の割合 (出所 : 東京都水道局「平成27年度一般家庭水使用目的別実態調査」2015年)

家庭の中で一番水を多く使うのはお風呂で、全体の40% を占めています。家庭における水の目的別の使用量を把握することで、節約のポイントがわかるかと思います。

水道代の計算方法は?

続いて、2カ月に1度の頻度で請求される水道代の計算方法について見ていきましょう。

水道代は全国一律ではなく、住んでいる市町村ごとに異なります。料金が異なるのは、水源からの距離、原水の水質など、自然条件が異なる場合でも、基準を満たした水を提供する経費をまかなえるようにするためです。

以下では、東京都を例に見ていきます。

水道代の明細の読み方

水道代の内訳を知るためには、明細となる「水道使用量等のお知らせ(検針票)」を正しく読み取る必要があります。まずは、水道代の検針票の各項目について確認しておきましょう。水道代は、基本料金と従量料金からなる上水道料金に加え、下水道料金から成り立っています。

・基本料金

基本料金は、水道の使用の有無にかかわらず、契約していれば必ず発生するものです。それぞれの家庭に引き込まれる水道管の太さである口径によって金額が決まっています。

口径は何段階かに分かれていて、地域の水道局によってその段階数は多少異なります。例えば、東京都でいうと、一般の口径は13mmから300mmまでの12段階です。また、口径のサイズが大きいほど一度に流せる水の量が多くなるため、料金も段階ごとに上がります。

・従量料金

従量料金は水の使用量に応じて、段階的に1m3の単価が加算されていきます。東京都では2カ月の使用量のうち、5m3までは0円となっていますが、5m3を超えた分から、1m3ごとに従量料金が加算されていきます。

・下水道料金

一般家庭が使う水道は、蛇口をひねって出る上水道と、生活排水を流す下水道に分かれています。 下水道料金は、汚水排出量と料率によって計算されます。ごく一部、下水道のない地域があり、その場合は請求されません。

東京都の水道代の計算方法

ここでは、東京都に住んでいる場合を例に、水道代の計算方法をご説明します。東京都を含むほとんどの地域では、水道代は2カ月に1度まとめて請求されます。大阪などの一部エリアは毎月請求されますが、水道代の計算方法は同じです。

水道代は、上水道代と下水道代の合計です。それぞれ、計算方法がありますので見ていきましょう。

<上水道代の計算方法>
上水道代=(基本料金+従量料金)×1.10(消費税) ※1円未満の端数は切り捨て。

基本料金と従量料金は、口径や水の使用量によって単価が異なります。イメージしやすいよう、東京都水道局の基本料金と従量料金の一部 をご紹介します。

■基本料金

口径 基本料金
13mm 860円
20mm 1,170円
25mm 1,460円
30mm 3,435円
40mm 6,865円

※2020年9月現在の料金(一部抜粋)

■従量料金

使用料 従量料金
0~5m3 0円
6~10m3 1m3につき22円
11~20m3 1m3につき128円
21~30m3 1m3につき163円
31~50m3 1m3につき202円

※2020年9月現在の料金(一部抜粋)

<下水道代の計算方法>
下水道代=下水道の料金表にもとづき算定した金額×1.10(消費税) ※1円未満の端数は切り捨て。

下水道代は、下水道の排水量=水道の使用量として計算します。東京都では下記のような料率を定めています。

■下水道代

使用料 下水道料金
0~8m3 0円
9~20m3 1m3につき110円
21~30m3 1m3につき140円
31~50m3 1m3につき170円
51~100m3 1m3につき200円

※2020年9月現在の料金(一部抜粋)

上記の方法で算出した上水道代と下水道代を合計すると、水道代が求められます。

水道代は、2カ月に1回の請求なので、1カ月分をちゃんと割り出したいという場合は、東京都水道局のウェブサイトで、さらに細かな計算方法を紹介していますので、そちらを参考にしてみてください。

参考 : 水道料金・下水道料金の計算方法(23区) | 手続き・料金 | 東京都水道局