コーチングのメリット

コーチングによって得られるメリットとして、どのようなものがあるのでしょうか。コーチングは、受ける側にもコーチ側にも、双方に得られるメリットがあります。

特に大きいメリットとして挙げられるものを3つご紹介します。

メリット1:学ぶことを養う

自発性を引き出すことによって、足りていない知識やスキルについて主体的に学ぶ習慣がついてきます。また成功体験を積み上げることができれば、コーチ側が細かい指示を出さずとも次なる目標達成に取り組める応用力や再現性が養われていくでしょう。

コーチにとっては教育コストの削減になり、クライアントにとってはスキルアップを加速させることに繋がります。

メリット2:問題を解決する

クライアントが潜在的に持っている能力や特性を発揮し、それぞれに合ったやり方で問題を多角的に分析しながら解決にあたるようになります。

試行錯誤の中で悩んだり間違えたりすることもあるでしょうが、正解を与えるのではなく気付かせることでより大きな成長を促せるでしょう。

メリット3:行動力がつく

主体性を尊重することでクライアントは「やらされている」と感じることなく、目標達成までのモチベーションを維持できます。また、目標達成に必要な手段を選択し、行動する力が身に付きます。

いわゆる「指示待ち」のクライアントに対しても、自ら行動することの必要性に気付かせることができれば積極的な行動を引き出すことができるのです。

コーチングのデメリット3つ

コーチングすることによりメリットもあればデメリットも存在します。そのデメリットとなるのが「効果が出るまで時間がかかる」「コーチのスキルが未熟」「育成は1:1が基本」などが挙げられます。 これらのデメリットについて、しっかりと把握する必要があるでしょう。

デメリット1:効果が出るまで時間がかかる

冒頭にも触れた通りコーチ自身がスキルを習得し、クライアントに対して実践するというステップが必要なため、目に見える効果が出るまでにどうしても時間がかかってしまいます。

当然のことながら、クライアントが行動することでしか最終的な効果は得られません。確実に効果を得るため、コーチとクライアントの間で良好な信頼関係を築き、クライアントがポジティブな気持ちになれるよう定期的な対話、フォローを行いましょう。

デメリット2:コーチのスキルが未熟

コーチがクライアント側の重要なサインを見落としていたり、そもそも良好な信頼関係が成立していない場合はかえって混乱を招きかねません。

コーチングの構造や他のコミュニケーションとの違いを明確に把握し、求められる役割と責任を十分に理解した上で実践するようにしましょう。

デメリット3:育成は1:1が基本

1:1の対話形式が前提条件となっているため、一度に複数のクライアントにコーチングを行うことは難しく、煩雑になってしまいます。

多人数を同時に育成する必要がある場合は、ティーチングとの併用が現実的です。クライアントに考えさせる部分と答えを与える部分を状況に応じて使い分けましょう。

コーチングの効果的な基本スキル3つ

コーチングを効果的に行うためには、「傾聴スキル」「質問スキル」「承認スキル」の3つの基本スキルを身につけておく必要があります。

なぜこの3つのスキルが必要になるのかを詳しくご説明していきます。

スキル1:傾聴スキル

傾聴とは表情やしぐさなどから相手の感情に心を配りながら、真摯な姿勢で話を聞くスキルです。クライアントにとって話をしやすい環境を作る必要があります。

クライアントが自主的かつ建設的な発言するためには、コーチが共感的な態度で理解に努める聞き方をしなければなりません。傾聴を通じた深い理解があってはじめて、コーチングに不可欠な信頼関係を構築できたと言えます。

スキル2:質問スキル

多くの人は他人からの批判を素直に受け止めることが苦手です。コーチングにおける質問は、問題を自分の言葉で分析できるように導き、気付きの機会を多く与えることが重要なポイントになります。

「なぜ」という問いかけは批判として捉えられやすいため、「何が」その要因となったのかを聞き出すようにしましょう。クライアントが言い訳を考えたり萎縮したりすることの無いよう、圧迫感を与えずじっくりと答えを待つ姿勢を保つことが大切です。

スキル3:承認スキル

コーチングにおける承認とはクライアントの変化や結果、存在を認め、伝えることです。ただ褒めればよいものではありません。きちんと顔を見て挨拶することや仕事を任せること、第三者に紹介することも重要な承認と言えます。

褒める時には結果だけでなく、プロセスとクライアントの努力に目を向けましょう。「自分のことをきちんと見てくれている」という安心感を与えることで、クライアントは自信とモチベーションを高く持って業務にあたってくれるでしょう。

コーチングによって自発性を身につけよう

要員不足が顕在化する現代において、自ら考え行動する人材を育成することは企業の必須命題と言えます。コーチングの手法を活用するには時間と学びが必要ですが、成功すれば自発性が身に付き、飛躍的な生産性向上を実現できます。

ティーチングに依存していると、自発性をもった人材を計画的に育成することができません。

正しいコーチングスキルを身に付け、仲間や部下達とのコミュニケーションに活かしていきましょう。