「Aさん、今日の会議中ずっと機嫌悪かったよね」
「え⁈すごく前のめりに参加していたつもりだったのですが、、、」

オンライン会議から退室する直前に、部長から思いがけない声をかけられたAさん。1時間の会議に集中して、発言する機会は2回ほどあったので準備した資料を分かりやすく説明していたつもりでした。

自分のどこが良くなかったのか?
オンラインの印象で損していませんか?

今までとは何が違ってきているのか、新しいやり方やイメージ作り、まだこれから流れに変化はあるかと思いますがイメージコンサルタントの印象管理の視点でチェックをして素敵な印象に変えてみませんか?

  • 印象で損をしたことはありませんか?

自分の口癖を知る

オンライン上の空気を悪くする、これって何でしょうか?

PCや携帯電話で会議に参加する際、イヤホンを使用することが多くリアルの会議よりも発言するひとことが耳に入りやすいです。そして、ほとんどの人がミュートをオフにして「無音」の世界。今までなら書類をめくる音や咳払い、様々な雑音が会議の中にありました。隣の人との雑談もあるので、さほど口癖が耳に障ることも少なかったはずです。

また、イヤホンの機能も進化してノイズを消し、相手の声のみをしっかり拾い、発言者の口癖は、そのまま聞き手にインパクトあるものになって届きます。

例えば討論の際に「逆に言えば~」を繰り返し使ってしまう癖があるといつも反発しているように受け取られ、「えーと、えーっと」が必ず話の初めについてしまう人は、不安そうで準備不足のように感じることがあります。

「~で、~で、~で」とどこで話が切れるのかわからない文節の長い話は聞き手を飽きさせてしまい説得力に欠ける話し方という印象に。

できるだけ「です。」「ます。」で言い切る習慣をつけると、聞き手に安心感を与えます。途中で質問も入りやすくなる、短い文節。日ごろから習慣付けると意見交換がスムーズになります。

もちろん、話すプロのアナウンサーではないので完璧な話し方を心がける必要はなく、無駄な口癖がないかどうか、意識して多用を減らすだけでも、良い印象になる効果が得られます。

スタンバイの笑顔

自分が発言するときは、多少の笑顔を意識している人は多いと思います。話す内容にもよりますが、明るく元気な笑顔はオンライン上でとても大切な印象作りに必要不可欠。笑顔や豊かな表情は健康的に見えます。何より笑顔には「相手を安心させる」効果があるのでリモートでなかなか顔を合わせられない仲間に対して信頼関係を築く大切なポイントと言えるでしょう。

また、オンライン上では参加者それぞれの顔をじっくり見ることが可能です。リアルの会議でしたら、発言者の顔を見ることはしても、聞いている様子をチェックすることはそうそうなく、むしろ視線は手元の書類に視線を落とします。

しかしオンラインでは、会議の参加者は自然と隣に並ぶ人と見比べられてしまう可能性もあるのです。そんな時に役立つのが「スタンバイの笑顔」。にやにや笑うのではなく、いつもより口角(唇の両端)をきゅっと上げて、会議を過ごしてください。満面に笑う笑顔が満開に咲く花だとすれば、スタンバイの笑顔はつぼみが膨らんで開花を待つようなイメージです。

ムスッとへの字口で1時間過ごすより、機嫌が良いという大前提を社会人のたしなみとして笑顔をスタンバイしておけば、相手からは質問もしやすい雰囲気を作ることができます。

もしかしたら今までは、今日は機嫌が悪そうだから、つっこんだ質問はやめておこう、、、なんて遠慮させているかもしれず、良い情報も入ってこないという残念な流れも作っていたかもしれません。

やる気があるように見えるテクニック

オンライン会議ではそれぞれの顔が並ぶので、どうしても他人と比較されやすいという事実があります。先ほど紹介したオンライン上の表情づくりは、参加する会議への意識の高さを示すうえで非常に重要です。他にも差別化の方法として、ライティングの調整や、毛髪など身だしなみを整える行為で差別化を図ることができます。

ここで、Aさんと同じ会議に出席しており、上司からの評価も高い同僚のBさんを例に見てみましょう。表情がしっかり映る明るい場所を選び、小さなマイライトを使用し、前髪もしっかり上げて顔に影ができない清潔感ある髪型で会議に挑んでいました。

ライトの設置など小道具に凝ることも一つの方法ですが、さらに効果があるのはオンライン映えを意識したヘアスタイルです。前髪もしっかり上げて顔に影ができない清潔感ある髪型が印象を変えます。

一方でAさんは特に明るさを意識せず、髪がおでこに多くかかり耳も隠れたヘアスタイルでした。顔周りに影ができてしまい上司からやる気がないように見られるどころか機嫌が悪いと勘違いされていたのです。

前髪は男女問わず、しっかり止めるなど眉が見えるようにすると表情豊かにまた明るく見えるのでお勧めです。「眉は顔の額縁」とも言われ、喜怒哀楽を表現する大切なパーツ。また両耳をすっきりと見せるのも相手の話を聴きいていますという意思表示にもつながるので、できるだけ顔に髪がかからないヘアスタイルで挑むと良い印象作りに効果を出します。

話し方、表情、ヘアスタイルを少し意識するだけでオンラインの印象は変わるのです。180度平面の画面上とはいえ、自分の印象を良くすることは伝えたい内容や仕事の本題を相手に早く届けることができます。自分の印象を管理して、オンラインでも楽しくコミュニケーションをリードする一歩先を進んでみませんか?

次回は上司からの印象を変えるポイントをお伝えします。

執筆者プロフィール:福山真由美(ふくやま・まゆみ)

イメージコンサルタント 「Grace」代表
大学卒業後、大手電力会社で秘書、広報を担当。結婚を機に退社するも、7年後の離婚をきっかけに再度就活。キャリアなし、特技なしの状態ながら、身に付けてきた「見せ方・振る舞い」のスキルを発揮し受けた会社すべて内定。2016年に独立。印象管理をテーマにしたセミナー、研修が好評。最新刊に『ずるい美人』(WAVE出版)