きっかけは、漫画喫茶で見たグラビアDVD

――改めて、グラビアの世界に足を踏み入れた経緯もお聞きしたいです。

オーストラリアに留学しようと思っていたんです。オーストラリアでサーフィンをしたかったんですよね。愛知だと賃金も安いので、東京に出てきたんです。18歳か19歳くらいのときに。オーストラリアで働かなくてもいいように、お金を3~4年貯めていざ留学しようって。

当時は中野に住んでいたんですよ。「上京組はやっぱり中野」みたいなところがあったんですよね。(家賃が)「安いよ」って聞いていたし。それで、いろいろな手続きを調べに、新宿の漫画喫茶に行ったんです。漫画喫茶って、パソコンでグラビアのDVDを見れるんですよね。それが目に入って「これ、何だろう?」ってなって。興味本位で見て、めっちゃ衝撃を受けたんですよ!!

――それまでに、漫画雑誌のグラビアを目にしたりは?

見てました。「この子に似てるね」と言われたこともありました。巨乳だったので、「(グラビアの)誰々っぽいよね」みたいな。でも、グラビアのDVDを見たことはなかったんです。それで漫画喫茶で見て、衝撃を受けて。完全にオーストラリアに行こうと思っていたのに、急に気が変わったんです。巨乳なことがずっとコンプレックスだったんですけど、「こうやって活かせる人っているんだ!!」と。自分がやるなんて考えてなかったし、やろうとも思っていなかったんですけど、急にオーストラリアに行くのをやめて「グラビアアイドルになる!!」って決めたんです。

何でも割と、急に決めるタイプなんです。全部そうなんですよ。その時々で生きている感じなんです。オーストラリアに行くのは「10年後、20年後でも、行けるな」みたいな。でも、この仕事って「今しかできないだろうな」って思ったんです。あと、オーストラリアに行くっていうことで失恋をして、恋人と別れたりした時期だったので「新しい自分になる!!」という思いもあったかもしれないです。

――そんな葉月さんは、現在は日焼けギャルというイメージがパッと浮かびますが、デビュー当時は…

めっちゃ清純派でデビューしました(笑)。最初に顔合わせみたいなことをした時に、スタッフさんや社長から「これじゃ仕事をもらえないよ」って言われたんです。「グラビアアイドルにこういうものは求められていない」って。面接に行ったときは、年齢も22歳だったので「22歳なら若いから」って。背も小さかったんです。グラビアアイドルって、童顔×ロリ×巨乳×低身長みたいなものが定番だったので「清純派になれ!!」って言われて、髪を黒く染めました。それまで持ってなかった服、ワンピースとかも買ってデビューしましたね。

――自分から飛び込んだということは、グラビアのお仕事に対する抵抗はなかったんですよね?

全然なかったです。

――でも、その清純派という設定には…

正直、抵抗はありましたね。22歳だとまだ若いし、「仕事だから」で割り切れない部分って、結構あったと思うんですよ。お仕事をさせてもらって、テレビなりで、これを言っちゃいけないみたいな。今のキャラだったら言えることでも、言えなかったこととか、すごく沢山あったり。けっこう無理していましたね。「無理してたなあ」って今は思います。当時はすぐ「仕事を辞めたいな」って思ったりもしちゃっていたので。

――清純派からギャルへの変化は、どういう流れだったんですか?

一番は、年齢ですかね。清純派ぶる年齢じゃなくなったというか。音楽とかもブラックミュージックとかを聞いてきたんです。自分を飾らなくていいような年齢になってきたというか。清純派の子がそういう音楽を聴いていたら、ちょっと嫌じゃないですか。そういう嗜好をSNSとかで出しているうちに…。割と、ファンの方がキャラクターって設定してくれると思うんですよ。そうなっていったら、事務所も「もう、(そのキャラを)普通にしていこう」と。それで徐々に移行していった感じですね。