熊本電気鉄道はこのほど、国土交通省九州運輸局に鉄道運賃の上限改定を申請した。申請が認可されれば、現行140円の初乗り運賃が160円に改定となる。

  • 熊本電気鉄道が鉄道運賃の上限改定を申請

平均改定率は、普通旅客運賃10.77%、通勤定期旅客運賃11.07%、通学定期旅客運賃11.13%。普通旅客運賃では、営業キロ4~5km区間の改定率が25%と最も高く、現行の200円から250円に値上げとなる。その他の区間も20~40円の値上げを予定している。

定期運賃も営業キロ4~5km区間の改定率が19%台と最も高く、通勤1カ月定期は現行の7,550円から9,000円、通学1カ月定期は現行の6,280円から7,500円に値上げとなる。

鉄道運賃の上限改定を申請する背景として、「事業収入が設備投資費用を上回っていない」と熊本電気鉄道。2008年4月の改定から12年以上にわたり、消費税引上げを除いて運賃を維持してきたが、直近3カ年の累積赤字額は7,000万円を超えているという。こうした中でも、道床の砕石化やコンクリート枕木への入替え、車両の更新などの設備投資費用が今後もかかることから、「輸送の安全を確保し続けるには、諸経費の増大は避けられない」と説明し、運賃改定に理解を求めている。