JR西日本は22日、社員研修センターの新しい安全教育設備として、在来線総合実習室と安全体感棟が完成したと発表した。

  • 在来線総合実習室では、実物の車両を模擬した運転士・車掌シミュレータも

JR西日本では、安全最優先の意識を高めるとともに、安全に必要な技術力を維持・向上する教育を実施しており、中でも机上教育だけでは身に付けにくい内容に関して、肌で感じ、体感を通じて学び、考えることを重視しているという。

在来線総合実習室では、実物の車両を模擬した運転士・車掌シミュレータを備え、現実に近い環境下で訓練可能。「見て」「聞いて」「触れて」「体感」することにより、原理原則から学べる設備となる。運転士、車掌、運輸指令員の養成研修で活用される。

  • 運転士・車掌シミュレータでの訓練のイメージ

  • 運転台と各機器が連動する機能も

運転台と各機器(パンタグラフ・床下機器など)が連動する機能もあり、模擬故障を発生させることも可能。映像教材も使用でき、故障対応訓練や異常時処置訓練が可能となっている。訓練パターン数は167から220に増加した。

安全体感棟は、重大労災(触車・感電・墜落)の防止に向けて、体感を通じて自らできる対策は何かを学び、考えるための施設となる。全社員対象の安全考動研修や養成研修で活用される。

  • 安全体感棟の設備(速度100km/hをバレーボールの球速で体感)

  • 安全体感棟の設備(高さ4mから重さ60kgのサンドバックが墜落した際の衝撃を体感)

おもな設備は、VRを用いた労働災害の模擬体感や墜落衝撃体感など。鉄道システムを支える各分野について学ぶ設備を併設している。