読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『ギルティ~この恋は罪ですか?~』(毎週木曜23:59~)で、新川優愛演じる妻を裏切る不倫夫・一真役の“クズ”ぶりが話題の小池徹平。前回の放送でつらい家庭環境の過去が明かされると、SNSでは「カズくん可哀想」「人間らしいところ見られてよかった」と同情の声も集まった。
そんな複雑なキャラクターに、小池はどう臨んでいるのか。経験のない長期にわたる撮影休止やその後の再開で感じたことなども含め、話を聞いた――。
■地上波でここまでやるのか
――妻役の新川優愛さん、不倫相手役の中村ゆりかさんにインタビューした際、原作の印象を聞くと2人ともそろって「こんなにドロドロした作品は初めて」とおっしゃっていました(笑)
インパクトがかなり強い作品でびっくりしましたね。「これ、地上波でやるんだ!」っていう驚きもありましたけど、単純に面白いなって思いました。展開が早くてあっという間に読んでしまって、面白すぎて次がどんどん気になる作品でした。
――これをドラマで演じるということは、すぐに想像できましたか?
「どこまでやるんだろうなあ…」と思ってましたけど、想像以上に絡みのシーンが多かったので、「うわぁ、攻めてるなあ」という印象でしたね。撮影の最初はステイホーム期間の前だったので、この時代になかなか密なシーンが多くて、「地上波でここまでやるのか」という驚きがありました。
――この役柄に共感できる点というのは、なかなかないですよね…。
だいぶ“クズ”な役なんで、共感部分を探すのはすごく難しいです(笑)。当たり前のように夫婦生活をしながら浮気をするってどういう気持ちなのか、理解するのが大変ですよね。
――その中で、どのように役を作っていったのですか?
カズくんの気持ちを整理していきました。過去のトラウマや生活環境で、こういう考えにならざるを得なかったんだろうなと考えて、1つ1つの行動に「なんでそう思うんだろう」って背景を整理していくんです。だから、役作りとしてはすごく丁寧にやってます。“丁寧にクズをやってる”という感じですね(笑)
――妻への顔と不倫相手への顔という二面性がありますが、この切り替えは大変ですか?
1日の撮影で優愛ちゃんと、その後にゆりかちゃんと…という日があったので、このときは大変でした。ベッドシーンを1日まとめて撮ったりしてると、「これ、何の絡みだっけ!?」ってだんだん分からなくなってきちゃって、変な撮影だなと思いながらやってましたね(笑)
■作品の良いスパイスに
――そんな衝撃的な作品ですが、放送の反響はいかがですか?
僕の役は「クズ」とか「最低」と言われることが狙いだったので、作品の良いスパイスになっているようで良かったです。みんなが爽(新川)の味方になって、秋山(町田啓太)とのシーンではキュンキュンするけど、カズくんが出てくると「こいつまた出てきた!」と言ってもらえてるようなので、成功だと思って安心しました(笑)
―― 一緒に副音声をされていた中村ゆりかさんは、小池さんとの絡みのシーンは「恥ずかしくなって多めにトークして紛らわそうとしてました」と言っていました(笑)
そうですね、たしかによくしゃべってました。黙って自分たちの濡れ場を見るのは、なんか落ち着かないんで、「この時ってどうだった?」なんて、余計にしゃべりたくなる感じがあるんです(笑)
――放送は家でご覧になるんですか?
はい。でも1人でしか見てないんで、あんまり声を出して笑ったりできないんですよ。だから副音声で普通に面白いところを笑って見れて、すごく気持ち良かったですね。
■不思議な雰囲気を醸し出す中村ゆりか
――新川さんの印象はいかがですか?
今回が初めてなんですけど、本当に真面目で素直で、いい子です。初対面で夫婦役というのは結構気まずくなったりすることもあるんですけど、現場でもすごくしゃべって空気を作ってくれて、芝居も楽になりましたね。すごくムードメーカーで、いろんな人に話しかけて明るくしてくれるので、僕は遠くから「うん、うん」って見ながら、安心して現場に入れます。
――中村さんは、小池さんについて「緊張している中で柔らかな空気にしてくださって、本当にありがたかったです」とおっしゃっていました。
でも、ゆりかちゃんは、本当に不思議な感じの子なんですよ。撮影で彼女に空き時間があって、家に帰る時間まではなかったからたぶん近所に出てたと思うんですけど、戻ってきたときに「何してたの?」って聞いたら、フフフって笑いながら「秘密です」って言うんです(笑)。不思議なふわっとしてる空気感があって、(役の)瑠衣とは全然違う。そこから役に切り替わるのがすごいと思いましたね。あんなに若いのに徹底して悪役を演じられるって、わりとハートが強くないとできないと思うので、本当に肝がすわってて頼もしくもあります。