俳優の綾野剛と俳優で音楽家の星野源がW主演を務めるTBS系金曜ドラマ『MIU404』(毎週金曜22:00~)が26日にスタート。新型コロナウイルスの影響で放送延期となっていたが、ついに初回を迎えた。綾野と星野は、2017年10月期放送の『コウノドリ』(TBS)以来2年半ぶりの共演。前回とはまったく異なるキャラクターに注目が集まっているが、新井順子プロデューサーに主人公2人の魅力や撮影秘話を聞いた。
本作は、『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』(ともにTBS)などで知られる脚本家・野木亜紀子氏のオリジナル脚本による一話完結ドラマで、初動捜査のプロフェッショナルである警視庁の機動捜査隊(通称:機捜)が、24時間というタイムリミットの中で事件解決を目指す物語。警視庁には現在3つの機動捜査隊が存在するが、本作は、警視庁の働き方改革の一環で作られたという架空の設定の臨時部隊「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」が舞台だ。
機動力と運動神経はピカイチだが機捜経験がなく、刑事の常識にも欠ける伊吹藍役に綾野、常に先回り思考で道理を見極める志摩一未役に星野。2人はこの第4機捜でバディを組み、第1~3機捜のヘルプだけでなく、捜査1課などの各部署のヘルプも行う。『コウノドリ』では正反対な性格ながら、心から信頼し合う産婦人科医役を優しく演じた2人が一転、破天荒な“機捜バディ”としてガチンコバトルを繰り広げる。
■ゴミ箱蹴り飛ばしは星野のアドリブ! 綾野のアドリブ台詞も
『アンナチュラル』、『中学聖日記』、『わたし、定時で帰ります。』など数々の話題作を手掛けている新井プロデューサーに第1話の撮影秘話を尋ねると、「星野さんがゴミ箱を蹴っ飛ばすシーンがありますが、実はあれアドリブなんです。蹴るという演出もしてなかったんですけど、星野さんの役づくりで蹴っ飛ばしたようです。突然だったのでみんなびっくりしました」と星野のアドリブを明かしてくれた。「さらに、綾野さんが『テンション上がってきた!』と言うのも台本にないんです。その空気を受けてテンションが上がってつい言ってしまったって」と、星野に触発されるように綾野のアドリブ台詞も飛び出したという。
新井プロデューサーは「スタッフは大爆笑でした。どんどんお芝居がプラスされていくんです。みんな『そうきたかー!』という感じで2人を見ています。その場にいて感じたままに演じていて、ついセリフや動きが出てしまうらしいんです。監督もどんどんやってくれと言っていますし、とにかくその場その場でその役を生きてくださいという感じでやっています」と現場の様子を説明。「楽しくやってくれれば、その楽しさが画面に出てくると思うので、とにかく楽しんでやってほしいです」と期待を込めた。
綾野は、命と向き合った『コウノドリ』で共演した星野のことを「戦友」と表現しており、新型コロナの影響で撮影が中断していた期間も連絡をとりあっていたという2人。 固い絆で結ばれている2人だからこそ、相手の芝居を受けてのアドリブが今後も生まれていきそうだ。
■主人公2人は「だんだん唯一無二のコンビに」
そんな2人が演じるキャラクターの魅力も解説してもらった。綾野演じる伊吹について、新井プロデューサーは「自由奔放なので、喜怒哀楽もすごく感情豊かに出ますし、人を助けたいという思いが目に見えてわかる人。自分も助けられたことがあったから警察官になり、どんな人にも愛をもって接しているというキャラクター」と紹介し、星野演じる志摩については「過去を背負っている、元捜査一課の刑事。今回、機動捜査隊に呼ばれて現場に戻ってきたというキャラクター。ツッコミに瞬発力があり伊吹に対して毒舌ですが、だんだん唯一無二のコンビになっていきます」と説明した。
当て書きしている部分もあるそうで、「個人的に、綾野さんはクールなイメージがあったのですが、実際にご本人に会ったらたくさんお話しされるし、みんなに気を使われるし、盛り上げようとしてくれるし、こんなに明るい人だったんだなと。伊吹ほどテンション高くないですが、ご本人の要素が伊吹に注入されています」と明かし、「星野さんは、もちろん荒々しい部分は当て書きではないですが、にじみ出る優しさ、周囲への思いやり気配りなどはキャラクターに出ていると思います。志摩は話を追うごとにキャラクターが変化していくので、見ていて飽きません」と語った。
4機捜のメンバーとして岡田健史、橋本じゅん、麻生久美子も出演。個性豊かな4機捜の面々に今後も注目だが、新井プロデューサーは「何も考えずに楽しく笑って見られる作品なので、金曜夜の1時間はリラックスして観ていただけたら。いろいろと大変な世の中ですが、金曜10時は『MIU404』を観て笑顔になっていただけたらうれしいです」と視聴者にメッセージを送った。
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