JR東日本盛岡支社は8日、津軽線(青森~蟹田間)と奥羽本線にて、線路状態を遠隔監視できる線路設備モニタリング装置の使用を開始し、線路の状態や劣化傾向を高頻度に測定可能とすることを発表した。JR東日本は2018年7月から線路設備モニタリング装置を順次導入し、盛岡支社管内では東北本線一ノ関~盛岡間ですでに導入されている。
線路設備モニタリング装置は、軌道変位モニタリング装置と軌道材料モニタリング装置で構成され、列車の床下に搭載することから高頻度に線路状態を把握でき、補修作業も迅速に行えるようになる。
軌道変位モニタリング装置はレーザーと加速度計、ジャイロ装置(車体の傾きを検出する装置)から線路の歪みを測定。測定したデータは無線で担当箇所の保線技術センターに伝送する。軌道材料モニタリング装置はレールとマクラギを固定する金具(レール締結装置)や、レールとレールをつなぐボルト(継目板ボルト)の状態等を撮影する。
青森地区での線路設備モニタリング使用開始時期は7月1日から。導入線区は津軽線青森~蟹田間(27.0km)と奥羽本線秋田~青森間(185.8km)で、線路設備モニタリング装置を導入する車両は計4編成(各編成1両に装置を設置)となる。なお、線路設備モニタリング装置の導入後も、3カ月に1回の徒歩による線路点検と、2週間に1回の列車による線路の揺れなどの確認も併用して実施。駅構内の線路は線路設備モニタリング装置で測定できないため、従来通り3週間に1回の徒歩による線路点検も実施する。