「急な残業が発生してしまった」「仕事のミスをカバーしなければならなくなった」「苦手な仕事を担当することになった」……といったように、もうひと踏ん張りしなければいけないときの手助けになるのが、エナジードリンク。ちょっと下がり気味だった気持ちを上向きにするため、ここぞという場面で購入する人も多いのではないだろうか。

あの高級スポーツカーメーカー「ランボルギーニ」のエナジードリンクも発売されるなど、近年ではその種類も豊富になり、各社さまざまなフレーバーなどを好みに合わせて選べるように新商品を定期的に市場に投入している。そこで今回、比較的最近発売となったものから王道的なものまで、エナジードリンク5種を試飲。その特徴や、筆者独自の視点からの味わいレポートしていこう。

  • エナジードリンク5種を飲み比べ

気分の切り替えに「レッドブル・エナジードリンク」

  • レッドブル・エナジードリンクは気分転換にピッタリ

まずは、日本におけるエナジードリンクのパイオニア的存在の「レッドブル・エナジードリンク」。以前、レッドブルを飲んだ後に会った友人から「あれ、なんかラムネっぽいにおいがする」と言われたことがあるのだが、確かにちょっと駄菓子のラムネのようなフレーバーがする。

色は薄茶色で甘さもしっかりとある。この甘さは原料のテンサイによるものだが、テンサイ糖は上白糖に比べミネラル類が豊富なので、体にもよさそう。1缶185mlに、活力につながるアルギニンは約200㎎、眠気覚ましにもなるカフェインは約80㎎含まれている。一気に飲みきれる量なので、買ったその場で飲み干して「よし行くか!」と気持ちを切り替えるのにピッタリかも。

甘さ ★★★★☆
スッキリ感 ★★★☆☆
パンチ感 ★★★☆☆

活力をチャージしたいときの「アイアンボス」

  • アイアンボスは活力が欲しいときに飲みたい

あの「ボスシリーズ」からもエナジードリンクが出ていたのをご存じだろうか。1缶250ml中にアルギニンが1,000㎎とかなり高含有! カフェインは75㎎入っている。また、GABAが28㎎入っているのが特徴的。GABAはヒトの脳にも存在しているアミノ酸の一種で、ストレスや緊張を和らげて脳の興奮を落ち着かせる効果があると言われている。とはいえ、しっかりと炭酸もきいており、リラックスというよりも気力がわいてくるようなのど越しだ。

色味は蛍光のような鮮烈さのあるイエロー。甘さは感じられるが、強めの炭酸のおかげか後味は残りにくくスッキリ。エナジードリンクはエネルギーチャージという部分で甘くなりがちだが、そんな中でもかなりいいキレ味に仕上げている印象だ。

甘さ ★★☆☆☆
スッキリ感 ★★★★☆
パンチ感 ★★★☆☆

集中力を維持したいときの「ZONe」

  • 没入感を保ちたいときにはZONeをチョイス

比較的少量のエナジードリンクが多い中、今年の5月に発売されたZONeは500mlという大容量で迫力満点。e-スポーツに取り組むようなデジタルネイティブ世代に向けた商品で、「没入感を壊したくない」というニーズに応えたものだという。

1缶にアルギニンが750㎎、カフェインが75㎎含有しており、甘味料にパラチノースが5.0g含まれている点が特徴的だ。パラチノースは血糖値の上昇を穏やかにするという研究報告があり、没入感の維持に一役買っているかもしれない。色はイエローで炭酸は弱めでくどい甘みではないので、集中力が必要な作業のおともにチビチビと飲みたいときにはベストチョイスになるはず。

甘さ ★★☆☆☆
スッキリ感 ★★★☆☆
パンチ感 ★★☆☆☆

睡魔に打ち勝つための「モンスターエナジー」

  • まぶたが重いときはモンスターエナジーを選びたい

アメリカ発のエナジードリンクで、レッドブルに並び愛飲者が多いと思われる「モンスターエナジー」。テイストは甘さの後に、ビタミンっぽい感じの後味があって炭酸も控えめ。色はスタンダードな印象のイエローだ。内容量は1缶355mlとエナジードリンクとしてはやや多めなので、半分を一気に飲み、残りは作業をしつつ飲むスタイルが合いそうだ。

特徴的な栄養成分としては、D-リボースと高麗人参エキス。疲労感を吹き飛ばしてくれるような構成になっている。また1缶あたりL-アルギニンが約443㎎で、カフェインは今回の5缶の中では最大量の142㎎! 寝てなんかいられないときは、この1缶で間違いなし!

甘さ ★★☆☆☆
スッキリ感 ★★★☆☆
パンチ感 ★★★☆☆

トリプルゼロで常識破りな「RAIZIN」

  • 気力も欲しいけど体もいたわりたいならRAIZINだ

「RAIZIN」はカフェイン、カロリー、糖類がゼロという異色のエナジードリンク。カフェインに変わる新素材として、ガランガルという植物の地下茎から抽出される「エネキストラ」を含んでいる。1本あたりのガランガルエキスは1,035㎎、エネキストラ150㎎に相当するという。

色は琥珀色で、グラスに注ぐとやや偏光色のような独特な色味がある。糖類ゼロだが、まろやかな甘みがしっかりと感じられた。炭酸はマイルドでガツンとした感はやや少なめ。一気飲みというよりは、ちょっと腰を落ち着かせて一息入れながら飲むようなスタイルが似合いそうだ。

甘さ ★★★☆☆
スッキリ感 ★★☆☆☆
パンチ感 ★☆☆☆☆

頑張りたいけれど、気力がついていかない……そんなときに手を伸ばしたくなるエナジードリンク。今回は5種を比較したが、それぞれに特徴が違っていたので、シチュエーションに合わせたチョイスでやる気にも影響がでるのではないだろうか。コンビニやドラッグストアなどで手軽に購入できるので、ぜひ吟味してここ一番の場面を乗り切ってほしい。