帝国データバンクは5月19日、理美容業者の倒産動向調査(2019年度)の結果を発表した。同調査は、「理容業」と「美容業」における、2009年度~2019年度の倒産(負債1,000万円以上の法的整理)について分析したもので、2019年12月に続き3回目となる。
倒産件数、過去最多の180件
2019年度の倒産件数は前年度比9.1%増の180件と2年ぶりに増加に転じ、過去最多を更新した。内訳をみると、「美容業」が162件と全体の約9割を占め、3年連続の増加。「理容業」は18件で2年ぶりに増加した。
負債総額は同34.0%増の58億6,600万円。負債10億円以上の倒産は発生しなかったが、2年連続して前年度より増加した。内訳は、「美容業」が約55億1,600万円と全体の約94.0%を占めた。
負債規模別にみると、「1,000万円~5,000万円未満」が157件と最も多く、小規模倒産が約9割に上った。次いで「5,000万円~1億円未満」が12件(構成比6.7%)、「1億円~5億円」が10件(同5.6%)、「10億円~50億円未満」が1件(同0.6%)と続いた。なお、負債50億円以上の大型倒産は、2016年度のグロワール・ブリエ東京以来発生していないという。
理美容業種は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響がとりわけ懸念されている。同調査では、「消費者の外出自粛の広がりにより、来店客数・客単価の減少や、来店サイクルの長期化も見込まれ、事業継続が困難となり破綻に至る中小事業者が増える可能性がある」と指摘している。