カド番に追い込まれた西山朋佳女王が、得意の先手中飛車で第4局を制す。
将棋の女流タイトル戦、第13期マイナビ女子オープン五番勝負第4局(主催:マイナビ)が5月18日に行われました。西山朋佳女王の1勝2敗で迎えた本局は負ければ女王失冠となる負けられない一局。西山女王は踏ん張りどころの第4局で挑戦者加藤桃子女流三段を下しました。
先手の西山女王は初手5六歩から先手中飛車を選択。後手加藤女流三段は2手目8四歩から居飛車で、持久戦調の駒組みとなりました。これは第2局と同じ戦型です。第2局は先手の西山女王から積極的に動いて開戦という展開でした。対照的に本局では西山女王が浮き飛車から石田流に組み替えようとしたところ、加藤女流三段が5筋の歩をぶつけて開戦しました。
ここからすぐに飛車角総交換する将棋となりました。西山陣は低い構えの美濃で大駒の打ち込みが少ない陣形です。対する加藤陣は玉の周りに金銀が配置され、打ち込みのスキがありました。西山女王は桂馬を取りながら竜を作り、加藤女流三段は桂香を拾うために歩を打ちます。ここから西山女王は金取りに角を打ち込みました。これが急所で金を避けても繋いでも味が悪い。加藤女流三段は自陣飛車を打って受ける、苦しい展開となりました。
加藤女流三段は桂香を拾って玉頭から攻め入ります。しかし西山女王のと金攻めが厳しく、加藤女流三段は銀を当てて角を弾こうとしたところ、西山女王はあっさり角を切って決めに行きます。加藤玉はどんどん追われて中段に逃げ込む形となりました。西山女王の竜の縦の利きが強力で加藤女流三段は入玉も叶わない形です。ここから西山女王は的確な指し手で加藤玉を追い込み、15時11分、105手で加藤女流三段の投了となりました。
この勝利で第13期マイナビ女子オープン五番勝負は最終第5局までもつれ込みました。マイナビ女子オープンではフルセットの勝負となるのは今回が初めてです。
これまでの4局はすべて先手番の勝利となっているので第5局はどちらが先手番となるのか、まずは振り駒に注目です。
西山女王のタイトル防衛か、加藤女流三段のタイトル奪取か、最終第5局は6月3日(水)に東京・将棋会館で行われます。