ご当地グルメに近場のあの店、好きな出前が取れるとすると棋士はどんなメニューを選ぶのか。アンケートからご紹介します。

真剣勝負の対局中、棋士が一息つける時間といえば昼食、夕食休憩があります。休憩中は、外出禁止ということもあり、頼めるものは近隣の店からの出前など限られています。しかしせっかくの食事休憩、棋士たちもいろんなものを食べたいはず。ということで本記事では『将棋年鑑2017 棋士名鑑アンケート』の「対局中の出前が全国どこからでも取れるとしたら何を頼みますか」から回答を一部ご紹介します。(以下カッコ内敬称・肩書略)

 

アンケート結果はやはり、全国各地の名物を食べたいという声がかなり多かったです。
その中でも圧倒的人気を誇るのが北海道でした。

北海道の寿司やスープカレー(阿久津主税)
北海道の海の幸(広瀬章人 札幌市出身)
海鮮丼(北海道稚内市)(中座真 稚内市出身)
北海道のスープカレー(高見泰地)

ほか

日本の食料基地とも呼ばれる北海道は新鮮な魚、肉、野菜と一通りの食材が揃ったグルメ王国です。海鮮はもちろん北海道らしさを感じるメニューですが、ご当地グルメのスープカレーも侮れない美味しさです。取れるのであれば北海道からの出前、是非とも取りたいですね。

以下、北海道から南下していきます。

冷麺(佐藤秀司)
盛岡冷麺は韓国の冷麺をもとに開発された酸味と辛味を重ねた独特な味の冷たい麺料理です。対局の休憩でもさっぱりといただけそうです。

中飛車に振って、牛肉どまん中弁当を食べたい(片上大輔)
山形県米沢名物、牛丼風のお弁当です。東京駅などでも購入できます。注文できるようになれば、中飛車党は必ず頼みたくなるお弁当となりそうですね。

いつも蕎麦を頼むので、天童から蕎麦を注文します(遠山雄亮)
山形県天童は将棋駒の生産シェア日本一で知られる、将棋ファンは一度は訪れたい街です。将棋にゆかりのある街の出前は棋士に運気をもたらしてくれるかもしれません。

冬なら「ほうとう」(小林宏)
ほうとうは山梨の郷土料理です。味噌ベースのスープに幅広の薄い麺が特徴です。冬にはかぼちゃのほうとうで体を温めて対局に戻るというのもいいですね。

味噌煮込みうどん(杉本昌隆 名古屋市出身)
山本屋の「名古屋コーチン牡蠣入り味噌煮込みうどん」(村田顕弘)

名古屋名物味噌煮込みうどんはその名の通り、味噌ベースのスープで煮込んだうどんです。杉本八段は名古屋出身なので、地元のソウルフードで勝負に挑みたいということでしょう。村田六段はお店とメニューまで指定されていて、相当お気に入りのようです。

出雲そば(羽生善治)
出雲のお蕎麦(西川和宏)

島根県出雲の出雲そばは、蕎麦の実を殻ごと挽いた黒っぽい麺が特徴です。割子そば、釜揚げそばという食べ方があり、そばつゆを麺にかけていただきます。

加古川からギュッと飯(稲葉陽 兵庫県西宮市出身)
加古川名物かつめし(船江恒平 兵庫県加古川市出身)

棋戦・加古川青流戦を主催する兵庫県加古川市から2つの名物のリクエストがありました。ギュッと飯は最近登場した新名物で、味噌ベースのタレに漬け込んだ牛肉を利用するというルールで、ローストビーフや巻き寿司などバリエーションは様々。かつめし昭和からあるビフカツにたれをかけた丼メニューです。加古川は出身の棋士が5人いることから棋士のまちとも呼ばれています。

愛媛から鯛めし(近藤正和)
愛媛の鯛めしは実は2種類あります。いわゆる鯛茶漬けのようなタイプと炊き込みご飯のようなタイプです。近藤六段はどちらがお好みなのでしょうか。

熊本の太平燕(高野秀行)
熊本のご当地グルメ、太平燕(タイピーエン)は肉や野菜と春雨の中華スープであっさりといただけます。こちらも対局の合間には食べやすいメニューですね。

 

以下では地域を問わない回答をご紹介します。

吉野家の牛丼と卵(佐藤康光)
これは黄金の組み合わせ、字面を見るだけで食べたくなってきます。

よく行く定食屋のランチ(中村太地)
行きつけのお店のメニューというのは対局中に安心感を与えてくれそうです。

ラーメン二郎(小倉久史)
かなりガッツリメニューのラーメン二郎ですが、対局にはそれほどエネルギーを使うということなんでしょうね。

CoCo壱番屋のカレー、陣屋のカレー(斎藤慎太郎)
実家がカレー屋さんの斎藤八段は、対局中もカレーをご所望のようです。
 

自宅のおにぎり(鈴木大介)
これは出前を取らなくてもいいような…… 握りたてがいいということでしょうか。

 

以上、棋士が取りたい全国の出前をご紹介しました。外出しづらい時勢ですので、気になったものはお取り寄せしてみると良いかもしれません。

取りたい出前は北海道の海の幸と回答した札幌市出身棋士の広瀬章人八段
取りたい出前は北海道の海の幸と回答した札幌市出身棋士の広瀬章人八段