俳優の佐々木蔵之介が、29日に放送されるテレビ朝日系スペシャルドラマ『陰陽師』(21:00~23:05)で主演を務めることが21日、明らかになった。陰陽師・安倍晴明を演じる。

  • (上段左から)市原隼人、佐々木蔵之介 (下段左から)竹中直人、剛力彩芽=テレビ朝日提供

日本のみならずアジアやヨーロッパでも発行され、総発行部数が全世界で800万部を超える夢枕獏原作の大ヒット小説『陰陽師』。今回、シリーズの中でも数少ない長編『瀧夜叉姫』が初めて映像化される。

さらに、市原隼人が安倍晴明の相棒・源博雅役、剛力彩芽が晴明と博雅が出会うことになる医者・祥仙(升毅)の助手・如月役で出演し、竹中直人が晴明と互角の力をもつ陰陽師でライバルの蘆屋道満を演じる。

脚本を担当するのは、大河ドラマ『八重の桜』や『相棒』シリーズを手掛ける山本むつみ氏。映画『花戦さ』(2017年)などといった作品を手掛ける篠原哲雄氏が監督を務める。

佐々木、市原、剛力のコメントは以下の通り。

■佐々木蔵之介
安倍晴明を演じるにあたっては善悪を決めないでおこうと思いました。“悪者を懲らしめる”というのではなく、学者であり、学問や音楽もたしなむ晴明という陰陽師が、“科学的に謎を解明していく”、そこだけに興味をもとうと。今回の物語でも、決して将門が悪人だとは思っていないんです。なぜ彼が復活することになったのか、その理由を科学的に考えていこうと思って撮影に臨みました。

久々にお会いした市原隼人さんは、変わらずまっすぐで純粋ですね。明るくて朗らかで、晴明が一緒にいたいと感じるレアな存在の博雅役にピッタリだと思います。私は晴明は人ではなくキツネの子かも?とも思っているんです。なので、ちょっと普通とはズレているけれども、心を許している博雅がいるから都を守るし、都にいたほうがいいと考えているんじゃないかと。博雅は人からどう思われているかにそんなに意識はないんでしょうね。晴明はそういうところに居心地のよさを感じているんじゃないかな。晴明と博雅はまさに“陰と陽”、そういう“バディーもの”のような感じが出せたらいいなと思っています。

晴明は陰陽師なので、呪(しゅ)をかけるセリフが難しかったです。でもセリフと格闘するのは心地いいですよ。言葉や所作、衣装と、ある程度縛られた状況の中で格闘して、そこから生まれたものを見て皆さんが涙したり、笑ってくださる。そして、その中にある真実を見てもらう、それが一番ドラマチックだと思うんです。平安時代の誰も見たことのない優雅な衣装や雰囲気、その一方で情念から生まれる鬼のように怪奇なものも出てくる…幅広い層の皆さんに楽しんでいただけるドラマだと思います。格闘あり、恋あり、家族愛ありと、エンターテインメントの宝庫のような作品です。どうぞお楽しみに!

■市原隼人
僕は17年前に違う役柄ではありますが、映画の『陰陽師II』に携わっているので、特別な思いがあります。まったく違う作品、役柄でこの『陰陽師』に戻ってこられた…不思議な再会をさせていただけたんだなと、純粋にうれしく思っています。

佐々木蔵之介さんには久々にお会いしたのですが、立ちふるまいも格好よくて…晴明なんですよね、そこにいるだけで。改めて“役者って素敵だな”と思わせていただける蔵之介さんの背中を、そばで見ることができてうれしかったです。

劇中に「都も悪くはない。ありがたいことに晴明、おまえがいる」というセリフがあるのですが、それが晴明と博雅の関係の象徴だと思うんです。博雅は怪奇現象に全然慣れていない、信じる信じないというよりもまず、どう捉えていいかすらわからない状態なんです。恋もするし、音楽や芸術などもたしなむ人間くさい人物です。そんな博雅は、クセのあるキャラクターぞろいの『陰陽師』の中でとても標準的な人。改めて“普通”を演じるのは難しいなと、実感しています。

時代劇ってロマンなんです! この時代を実際に見たことのある人って誰もいないですよね? だからこそ今、作る意味があると思うんです。これまでに『陰陽師』を見たことがある方にも絶対に見ていただきたいと思いますし、現代に『陰陽師』の世界観がどう映るのか…。この作品は、見たことがない世界を見せてくれる、感じたことのない世界を感じさせてくれるエンタテインメントの根源だと思いますので、どの世代の方にも楽しんで見ていただけると思います。

■剛力彩芽
誰もが一度は耳にしたことがある『陰陽師』。そんな作品に出させていただけると聞いた時はとてもうれしかったです。さらに私の大好きな時代劇、なかなか描かれることが少ない平安時代の作品という部分でもとてもワクワクしました。ただ、たくさん映像化されてきた作品でもあるので、また新たな『陰陽師』の世界を描けたらいいなと感じました。

私が演じる如月は、とても一言では言い表せない女性です。とても落ち着いていて、けれどどこか危なげで…。所作や話し方など細かいところにまで気を遣えるような…そんな女性を演じられるよう意識しました。今の時代にはない衣装だったので、初めは歩くのも大変ということもありましたが…着物での所作は、背筋がピシッとするので自然と役に入れたような気もします。そして、今では数少ない、平安時代の家屋もかっこよくて、セットにいるとワクワクしました。

これまでにも数々の物語が映像化されてきた『陰陽師』ですが、今回はどんな安倍晴明が誕生するのか…。みなさまにもタイムスリップして楽しんでもらえるような作品になっていたらうれしいです。