JR東日本アイステイションズは12日、より詳細な多言語での運行情報提供が可能となる「運行情報多言語変換システム」を開発したと発表した。JR西日本と近畿日本鉄道がこのシステムを活用し、訪日外国人向けの多言語運行情報ホームページを3月14日からリニューアルする。
「運行情報多言語変換システム」は、各事業者がホームページで案内している日本語運行情報を多言語に機械翻訳するシステム。これを利用することにより、各事業者は日本語で情報提供するだけで、各言語についても自動で日本語同様の内容を運行情報ホームページで配信することができる。単純な機械翻訳ではなく、鉄道運行情報に適した翻訳文章を生成するため、鉄道を利用する乗客に適した案内を実現する。対象言語は英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語となっている。
このシステムを開発したJR東日本アイステイションズは、各事業者がホームページで掲載している運行情報を一度で確認できる共通サイトを新たに開設。こちらも対象言語は英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語となる。JR東日本アイステイションズは今後も参画事業者を拡大し、事業者の垣根を越えた情報提供をめざしていくとのこと。なお、運行情報多言語変換システムや共通運行情報サイトは他言語の対応も可能であり、ホームページだけでなくアプリやSNSなどの媒体にも情報提供できる。
JR西日本はこの「運行情報多言語変換システム」を活用し、「JR西日本列車運行情報」の多言語サイトをリニューアルする。6時から24時まで(京阪神地区は4時から翌日2時まで)の間、JR西日本全線区で複数列車に15分以上の遅れ(京阪神地区の朝ラッシュ時間帯、山陽新幹線および北陸新幹線は10分以上)が発生した場合、または発生が見込まれる場合に、列車の運行状況を確認することができる。
地図の色やピクトグラムが運行状況に合わせて変化することで、JR西日本全体の運行情報を視覚的にわかりやすく確認できるトップページも追加。これまでテキスト情報で伝えていた「影響路線・区間、運転状況、原因、運転再開見込み時間」に、路線図やピクトグラムも追加する。特急列車の運休情報や計画運休のお知らせ等に関しては、各エリアのページにおいて、「JR西日本列車運行情報」の日本語サイトを機械翻訳して表示する機能も追加される。対象言語は英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語となる。
近鉄も「運行情報多言語変換システム」を活用し、3月14日からホームページ内の運行情報ページを従来の英語に加え、中国語(簡体字・繁体字)・韓国語でも提供。あわせて運転再開見込時間や計画運休のお知らせ等の情報内容を充実させる。現在、一部の特急列車の座席背面に掲出している運行情報ホームページにつながるQRコードは今後、急行・普通を含めた全列車に順次掲出する。