東京2020組織委員会は2020年2月7日から、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開会式/閉会式のアシスタントキャストの募集を開始した。7日には募集に関する記者会見が実施され、開閉会式の総合統括を務める狂言師の野村萬斎氏らが出席した。
アシスタントキャスト約2,200人を募集
アシスタントキャストは東京2020大会の開会式/閉会式で、選手団の入場時にフィールドで、選手たちの出迎えや入場、スタジアム内での誘導など、各選手団のサポートを行うキャスト。世界から集まる選手たちを迎え、スムーズにパレードを楽しめるよう、式典の運営に携わり、ともにイベントを盛り上げる。
東京2020オリンピックで1,000名程度、東京2020パラリンピックで1,200名程度のアシスタントキャストを予定しており、3月上旬に活動内容や役割に応じた語学スキルなどのマッチング、および抽選を行う。
東京2020組織委員会チーフ・セレモニー・オフィサー(CRO)の中井元氏は会見冒頭で、「開会式・閉会式の中でも選手入場は各国地域の選手に最も注目が集まり、翌日からの競技に臨む選手たちを歓迎し、励ます非常に大切なパートです。スポーツの祭典の主役であるアスリートを一緒にお迎えし、多くの方々が式典に参加していただける機会をつくることで、ともにつくり上げる式典を目指したい」と挨拶。
野村氏も「新国立競技場に世界各国の人たちが一堂に会する機会に、未来にも語り告げるような一生に一度の参画の機会として、アシスタントキャストを募集することを決定しました。開閉会式の制作チームの一同、大会コンセプトである共生のメッセージを伝えるべく、目下取り組んでおります。ぜひ多くの方にご応募いただき、イベントを盛り上げていただければ」と、思いを語った。
アイヌの方との共生も視野
質疑応答で式典の演出に関して現在の進捗を聞かれた際、野村氏は「骨格はできているということですね。これから肉付けしていくところでそこもほぼ決まってきています。ただ、春から夏にかけてお稽古もしなければいけないので、そこに間に合うよう具体的にどんどん進行しているところです。7、8合目まではきているという表現になるんじゃないでしょうか」とのこと。
また、アイヌ民族の古式舞踊をプログラムに盛り込むことを要望していた北海道アイヌ協会に、オリンピック開会式で不採用となる方針が伝えられたという報道について、野村氏は「アイヌの方との共生も当然視野に入れた式典になるようにしています。ただ、古式舞踊に関しては式典としての制約の中で、なかなかはまりきらなかったということ。式典にはアイヌの方も参画されると思っていただいて結構かと思います」と所見を述べた。
アシスタントキャストの応募は個人での応募となり、募集期間は2月28日まで。障害の有無を問わず、2002年4月1日以前に生まれた人が対象となる。マッチングでは体力面や役割などにも配慮することで、年齢や障害などより幅広い人たちの参画を促すという。
応募資格などの詳細は東京2020大会公式ウェブサイト内の募集サイトで確認してほしい。