漫画家・江戸川治さん(@edoosam)がツイッターで発表した短編「ベランダのあの子」。いつもベランダにいる少年・谷口優と、そこにたまたま通りかかった男性の交流を描いた、たった4ページの作品。なのですが、読者の心をわしづかみにするまさかの展開力と、優の健気すぎる気持ちに強く心を打たれてしまいます。

  • 「ベランダのあの子」(1ページ目) ※タップで拡大

夕方に通ると、いつもベランダにいる少年。何気ない気持ちで手を振り、今しがた買ったばかりの“飴”を男性がおすそ分けしたことから、2人の些細な交流ははじまりました。

  • 「ベランダのあの子」(2ページ目)

ある日、いつものようにベランダにいた少年は、男性に小さな折り鶴を投げてよこします。「いつももらってばかりで悪いから……お返し」「何もなくてこんなのしかあげられないけど……」と、申しわけ無さそうです。とはいえ、男性はまんざらでもない表情。「かわいいじゃねえかコノヤロ~~」とその場を後にするのですが……。

  • 「ベランダのあの子」(3ページ目)

話は一変。少年は、折り鶴を投げてよこした時、本当はすでに亡くなっていたことが明かされます。折り鶴には、少年からのメッセージが込められていました。男性は、涙を流しながら悔しそうに訴えます。「わざわざ こんな事を伝える為だけに……バカヤロゥ……!」。

  • 「ベランダのあの子」(4ページ目)

この短編の作者・江戸川治さんは集英社のコミックアプリ(サイト)「少年ジャンプ+」で、『5ページ以内に泣ける漫画』を10月中旬まで、集中連載していた漫画家。同アプリでは『ホウキにまたがる就活戦争』を連載しており、7月には、完結刊となる第3巻が刊行されていました。またTwitterでも多く漫画を発表しており、これまでにも「惚れ薬」「失恋」「お利口な犬の話」などの短編で話題を集めています。

この短編に対して、読者からは多くのコメントが。「つらい」「悲しい」「泣ける」と気持ちを端的に表したものや、「次は、幸せになってほしいです」「優しい魂が無事に天へ登れますよう」と少年を気づかう言葉などが寄せられていました。