東京メトロと東芝インフラシステムズは、丸ノ内線新型車両2000系向けに共同開発した省エネルギー技術「二次電池SCiB適用 鉄道車両用次世代駆動システムの開発、導入」が環境省主催の「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞したと発表した。
丸ノ内線の新型車両2000系では、最新の非常走行用電源装置、インバータ装置、新型モーターの3つを組み合わせた駆動システムを搭載。非常走行用電源装置は停電で列車が駅間に停車した場合などにおいて、車両に搭載したバッテリーから列車に給電し、最寄り駅まで移動するための装置となっている。2000系では東芝が開発した高性能リチウムイオン二次電池「SCiB」を搭載しており、電車がブレーキをかけた際に発電される電力を蓄え、再利用することができる。
車両のモーターに供給する電気の制御を行うVVVFインバータ装置には、新開発のAll-SiC素子を採用。これにより、エネルギー損失を大きく低減し、装置の小型化を実現するとともに、非常走行用電源装置の搭載スペースを確保できた。
永久磁石を回転子に使用したモーター「PMSM」はVVVFインバータ装置に特化した設計とし、高効率のモーターであるPMSMのさらなる高効率化と回生性能向上に成功。これら3つを組み合わせた駆動システムの採用により、2010年に改修した丸ノ内線02系PMSM車と比べて27%の消費電力量削減を実現したという。こうした取組みが評価され、「対策技術先進導入部門」で受賞を果たした。