JR西日本は6日、大阪駅5階「時空の広場」イベントステージにて、「2019年ホーム転落防止キャンペーン “飲ん”だら気をつけて! @大阪駅」を開催した。冬期のホーム転落防止キャンペーンでイメージキャラクターを務めるのんさんが登壇した。

  • JR西日本が冬期のホーム転落防止キャンペーンのイベントを開催。イメージキャラクターを務めるのんさんが登壇

同社は夏期・冬期に「ホーム転落防止キャンペーン」として、酒を飲みすぎた利用者、体調不良の利用者らが駅ホームから転落することを防止するための啓発活動を行っており、2017年度冬期からイメージキャラクターにのんさんを起用。2019年度冬期のキャンペーン(期間は2019年11月1日から2020年3月31日まで)では、「“飲ん”だら気をつけて!」をキーワードに、JR西日本管内の駅で啓発活動ポスターを掲出するほか、駅係員による駅構内放送や利用者への呼びかけなどを実施する。のんさんが出演するキャンペーン動画も制作された。

大阪駅で開催されたイベントでは、のんさんが駅員の制服姿で登壇。出演したキャンペーン動画について、「お酒を飲んで酔われたとき、ホームから転落しないように注意してほしいとの願いを込めて演じました」とコメントした。続いて、ホームでの安全を守るためのお願いとして、「酔った状態でホームを歩くときは気をつけて」「スマートフォンなどを見ながら歩く『ながら歩き』はやめましょう」「ホームから転落した人、線路の上で倒れている人に気づいたときなど、ためらわずに非常ボタンを押してください。線路に物を落とした場合は非常ボタンを押すのではなく、駅係員に声をかけてください」「列車を降りた際、列車から離れて歩いてほしい」の4つを挙げた。

途中、ステージ上に用意された非常ボタンを使って実演が行われたほか、大阪駅の駅係員3名が登壇し、ホーム上の安全に向けた取組みの紹介も。改札付近やホーム上で体調不良の人、体の不自由な人を見かけた際、駅係員が声かけを行うとの話に、「体調不良でふらふらして、ホームから転落してしまうケースもありますよね。そういうときは無理しないで、じっと休んでいただきたいです」「ホームって人がとても多いので、みんなで助け合って、気をつけていきたいですね」とのんさん。「皆さんも4つのお願いを思い出して、ホームの安全確保にご協力ください」と呼びかけた。

  • のんさんが出演するキャンペーン動画を紹介。ステージ上に用意された非常ボタンの実演も行われた

  • 大阪駅の駅係員3名がホーム上の安全に向けた取組みを紹介。イベントの最後に一般向けの撮影時間も

JR西日本は駅ホームの安全性向上をめざし、可動式ホーム柵・昇降式ホーム柵の設置を順次進めている。大阪駅でもJR京都線・JR神戸線の列車が使用する5~8番のりば(6・7番のりばは可動式ホーム柵、5・8番のりばは昇降式ホーム柵)に加え、12月5日から新たに大阪環状線1番のりばでも可動式ホーム柵の使用を開始した。「ホーム柵があるのりばが増えて、事故がなくなってほしいです」とのんさんは言う。イベント終了後の取材でも、「体調不良の人や酔ってふらふらしている人など、気づかずにまっすぐ線路のほうへ歩いてしまうのを映像でも見ました。ホーム柵があるとそういった危険を止めてくれるので、重要だなと思いました」と話した。

イベントで着用した制服に関して、「背筋がぴんと伸びるというか、すごく気合いが入ります。制服を着て、帽子も被って身なりを正すと、JR西日本のホームの安全を守る立場として心持ちが定まります」とコメント。ホーム転落防止キャンペーンのイメージキャラクターに起用されて以来、「人であふれ返っているホームにいると、列車に近づいて歩いている人はいないか、気をつけるようになりました。見張るというか、『私がいるホームでは安全を守らなきゃいけない』という使命感がすごくあります」とのんさんは話す。「ホーム上で危ないと思った場面は?」との質問に、「いまのところ私が見張っているから、ないです」と答え、報道陣の笑いを誘う場面もあった。

この日のイベントでは、ファンをはじめ約200名が会場に駆けつけたとのこと。フォトセッションでは一般の参加者向けにも撮影可能な時間が設けられた。「やっぱり皆さんに集まっていただけるとうれしいし、頑張らなきゃ! という気持ちになります。ファンの方からもホームの安全について広まっていけるように、(今回のイベントを)みんなに拡散していただきたいなと思っています」とのんさんは話した。

  • イベント終了後の取材では、のんさんが報道陣の要望で敬礼のポーズを行う場面も