現在大好評公開中のアニメーション映画『BLACKFOX』との連動企画として製作された『BLACKFOX: Age of the Ninja』は、「ウルトラマン」「スーパー戦隊」「仮面ライダー」という日本を代表する特撮アクションシリーズをすべて手がけたことのある"特撮界のキーマン"こと坂本浩一監督が、東映京都撮影所のベテランスタッフと組んで生み出した「特撮アクション時代劇」である。

  • 矢島舞美(やじま・まいみ) 1992年生まれ。埼玉県出身。2002年、ハロー!プロジェクト・キッズオーディションに合格し、2005年からはアイドルグループ「℃-ute」のリーダーとして、映画、テレビ、ラジオ、舞台、CMなどに多数出演し、熱狂的なファンを獲得する。2017年、℃-uteの解散にともないハロー!プロジェクトを卒業。女優としていっそうの活躍を見せている。撮影:蔦野裕

近未来における忍者の末裔を主人公にしたアニメ版の"ご先祖"にあたるこの作品では、主演の石動律花(いするぎ・りっか)役に新世代アクション女優の呼び声高い山本千尋を起用。非情なる忍びの世界に生まれながら、たとえ敵であっても人間の"命"を奪うことをよしとしない心優しき律花が、自分と同じく"父親を失った"悲しい境遇の娘・宮(みや)を助けるべく、壮烈な戦いへの道を歩んでいくというのが大まかなストーリーである。

すでに各配信サイトにて有料配信が開始され、多大な反響を呼んでいる本作『BLACKFOX: Age of the Ninja』。ここでは、律花を心から信頼し、殺された父親の仇を討ってほしいと懇願する美少女・宮を演じた矢島舞美にインタビューを敢行し、撮影時の苦労話や坂本浩一監督の印象、そして東映京都撮影所で製作された本格的アクション時代劇である本作の醍醐味などを尋ねてみた。

――矢島さんは過去に「時代劇」に出演されたご経験がありましたか?

2017年にNHK Eテレのドラマ『大江戸ロボコン』という作品に出演したことがありましたが、今回のように京都の太秦にある東映京都撮影所で本格的な時代劇を撮るのは初めてになりますね。

――京都撮影所の方々はその道数十年の映画職人が揃っている、というお話が有名ですが、矢島さんが初めて現場に入られたときのご感想はいかがでしたか。

私もいろいろな先輩方から「京都の撮影所は歴史ある場所で、しきたりとかが厳しいぞ」なんてお話をうかがっていましたから、最初はめちゃめちゃ緊張していたんですよ。でも、ドキドキしながらご挨拶しに行ったら、みなさんとても優しい方ばかりで、安心しました(笑)。

――台本を読まれたとき、宮という役柄についてどのように思いましたか?

宮がきっかけになって物語が進み、宮をめぐっていろいろな人物が巻き込まれていきますから、これは責任重大だぞ、と思いましたね。まさに、作品全体のキーパーソンじゃないですか。しかも、殺されたお父さんの仇を討ってほしいという悲壮な感情から、律花と心を通わせたときの穏やかな内面、さらには身体から電撃を放つ能力を持っているという部分の描き方など、感情の起伏が激しく、波があるので、そこをどのように表現しようか、難しいなと思いました。

――坂本監督は、以前からアクションをこなせる矢島さんに何回か出演オファーをかけていて、今回その念願が叶ったと喜ばれていたそうです。矢島さんが坂本監督とお会いしたときの印象を教えてください。

坂本監督とは「衣装合わせ」をしたとき、初めてお会いしました。やっぱり初めてなので、お会いする前はどんな人だろう?と緊張していましたが、いつもニコニコされていて、とても笑いの絶えない衣装合わせになりました(笑)。宮がふだん着ている着物なども、監督から「どれがいい?」って言ってくださって、私が選んでもいいんだ!?って驚きました。せっかくなので、私好みのかわいい柄の着物を選ばせていただきました。

――激しいアクションが続く撮影現場でありながら、坂本監督の演出は常にみなさんが楽しい雰囲気で取り組まれるよう、心がけられているようですね。

そうなんです。坂本監督の大らかさが常ににじみ出ていて、肩の力を抜いて、リラックスして撮影に挑めるなって思いました。撮影中でもポンポン冗談が飛び出して、現場の空気を和らげてくれたのはほんとうにありがたかったです。