浴室や洗面所の蛇口に付く白っぽい汚れが気になる人も多いのではないでしょうか。入浴や手洗いなど使用頻度が高いので、掃除をしてもまたすぐ汚れてしまいますよね。そうこうしているうちに汚れがこびりついてしまい、スポンジでこすってもなかなか落ちない……なんてことも。

そんな頑固な蛇口の汚れですが、重曹とクエン酸をダブル使いすることで、スルッときれいに落ちるのだとか。重曹もクエン酸も100円ショップで入手できるので、気軽にチャレンジできるのもうれしいところです。今回は、実際にこの方法で蛇口を掃除してみた様子をレポートします。

  • つい放置しがちな、浴室のカランに付いた白い汚れ

アルカリ性と酸性の汚れには、重曹とクエン酸のダブル使い!

蛇口に付く白っぽい汚れ。そもそも、この汚れの正体とは何なのでしょうか?

水道水にはカルキ(石灰)やマグネシウムといったミネラル成分が含まれています。水滴がついたまま、そのまま放置しておくと、水道水に含まれるミネラル分が結晶化し、白い汚れとなって付着してしまうそうです。特に人体には悪い影響はないとのことですが、蛇口の周りが白くくすんで見えて、あまり見た目が良くはありませんよね。

こうしてミネラルが固まった汚れはアルカリ性。そのため、一般的な中性洗剤(台所用洗剤や中性バスクリーナーなど)や、アルカリ性の洗剤(油汚れを落とす住宅用洗剤など)を使ってもきれいにはなりません。そこで使いたいのが、アルカリ性の汚れを落とすのに適している酸性の「クエン酸」です。 。

蛇口に付くのは、ミネラルが固まってできた汚れだけではなく、皮脂汚れやせっけんカスといった酸性の汚れも付着します。こうした酸性の汚れ落としには、重曹などアルカリ性の性質を持つ素材がぴったりです。

  • 重曹とクエン酸は100円ショップでも購入できます

アルカリ性と酸性の汚れが混在する蛇口まわり。そこで今回は洗剤を使わず、酸性の「クエン酸」、アルカリ性の「重曹」を併用して、蛇口にこびりついた頑固な汚れを落としてみたいと思います。

炭酸ガスの発泡パワーで汚れが浮き上がる!?

今回、挑戦する汚れはこちらです。

  • 白い汚れが付き、ステンレス本来の輝きはまったくないカラン

家族5人が使う浴室のカラン。ミネラルが固まった白い汚れやせっけんカスのほか、運動部に入っている子どもが砂や泥まみれでシャワーを浴びることもあるため、砂やホコリなども付いています。本来であれば輝きがあるステンレス素材なのに、光を反射することもなければ、顔を近づけてみても顔のパーツを確認できないほど曇っています。

  • カランにカメラを近づけても写り込みすらしません

さっそく、掃除をしていきましょう。まずは重曹と水を混ぜた「重曹ペースト」で蛇口まわりを磨いていきます。今回、かなり汚れが頑固なので、重曹ペーストは多めに使いました。それほど汚れがひどくない場合は、もう少し重曹ペーストの量を減らしてもいいと思います。

  • 「重曹ペースト」を付けてカランを磨いていきます

続いて、ミネラルの汚れを取るための「クエン酸水スプレー」を作ります。クエン酸水スプレーは、水200ccに対して、クエン酸小さじ1杯を混ぜたもの。作っておくと、タバコのヤニ汚れやトイレの黄ばみなど、アルカリ性の汚れに何かと便利に使えますよ。

  • クエン酸と水を混ぜてクエン酸水スプレーを作ります

カラン全体を重曹ペーストで磨きつつ、まんべんなく伸ばしていったら、クエン酸水スプレーを全体に吹きかけます。すると、アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸が反応し、炭酸ガスが発生!「シュワー!」と一瞬で泡立ちます。この泡が、汚れをより浮かせてくれるそうですよ。

  • クエン酸水スプレーを吹きかけた部分が泡立ちます

シュワシュワと泡立つ様子はとても面白いので、子どもと一緒に掃除してみてもいいかもしれませんね。クエン酸をスプレーしたあとは、そのまま10分ほど置いておきます。

10分後。ウエスで拭き取りこすってみると、くすみが取れたカランの表面が見えてきました。

  • 拭き取ると、ステンレスの輝きが見えてきました

シャワーで全体を洗い流します。ステンレス本来の輝きが蘇っています。

  • シャワーで水をかけて重曹ペーストとクエン酸を洗い流します

そのままにしておくと、水滴に含まれるミネラルがまた結晶化してしまうので、乾いたウエスで水分を拭き取ります。掃除前は曇っていたカランですが、今は周囲の景色を映し出すほどきれいに! 心なしか、浴室が明るく感じられます。

  • ウエスで拭いて仕上げたカラン

  • 上)白い汚れが付いた掃除前のカラン 下)重曹ペーストとクエン酸スプレーで掃除をしたあとのカラン

まとめ

使う機会が多いために汚れる機会も多い浴室や洗面所の蛇口。これまではお風呂掃除用の中性洗剤を使っていたのですが、付着した白い汚れはあまり落ちず、クレンザーを用いて掃除することもたびたびありました。

クレンザーでもきれいになるのですが、わざわざ取り出して使うのも面倒なので、どうしても後回しになってしまっていたのです。

今回、紹介した重曹とクエン酸を使った掃除ですが、何といっても面白いのが重曹とクエン酸が反応し、シュワシュワと炭酸ガスが発生する様子です。それほど力を入れなくても汚れが落ちたのは、発泡のパワーがあるからなのでしょうか。

この発泡の力を使った方法は、排水口の汚れ落としなどにも使えるようなので、排水口も一緒にきれいにしてみてもいいかもしれません。

今回の蛇口の白い汚れは、重曹とクエン酸のダブル使いできれいになりましたが、ミネラル分がガリガリに結晶化して蛇口にこびりついている場合は、クエン酸水スプレーのパックがおすすめですよ

※注意: 今回は酸性のクエン酸を使用しています。クエン酸は塩素系洗剤と混ざると有毒なガスが発生するため、掃除の途中には塩素系洗剤は避けるようにしましょう。

また、アルカリ性の重曹は、水に溶かすと弱アルカリ性となります。ナチュラルで肌にもやさしいと言われる重曹ですが、肌が弱い人はゴム手袋を着用をおすすめします。