お笑いコンビ・くりぃむしちゅーの有田哲平が出演する、Amazon Prime Videoのプロレストークバラエティ『有田と週刊プロレスと』。
現在は4シーズン目となるファイナルシーズン(※毎週水曜更新 全25話予定)が配信されており、9月27日には、シーズン1とシーズン2のDVD-BOXが発売される。
同番組の上田暁子プロデューサーが、番組がスタートした経緯や、スタッフの目線から見た有田哲平の話術のすごさなどについて語った。
■『有田と週刊プロレスと』立ち上げの経緯は
――シーズン1は2016年11月から配信されています。番組がスタートした経緯をお聞かせください。
実は、最初から「プロレスの番組をつくりたい」と考えていたわけではなく、この番組のスタッフでもある構成作家さんとの何気ない会話の中で、以前有田さんが「週刊プロレスが1冊あれば、いくらでも語れることがある。プロレスは色んなドラマがあって本当に深い」というようなことをおっしゃっていたとお聞きしたのがきっかけです。そのときは「そうなんですね」と聞いていたのですが、そもそもプロレスのプの字も知らなかったので、どんなものなのかと興味がわいて、新日本プロレスの両国大会に行ってみたんです。
――実際に行かれてどうでしたか。
プロレスの迫力や激しさに驚き、なんて面白いんだろうと、初めてにも関わらず引き込まれていきました。ただ、その大会のメインの試合で、観客の方の歓声や熱狂がものすごかったんです。もちろん興奮はしましたが、なぜ周りがそこまで盛り上がっているのか、正直その時はよく分かりませんでした。
実はその試合、この番組のシーズン1で取り上げさせていただいた、内藤哲也選手が2016年にIWGPヘビー級王座を初戴冠された時の試合だったんです。内藤選手の不遇の時代を皆さんが知っているからこその大歓声だったのだと後から知り、プロレスというのは、試合に至るまでの歴史や背景を知ると、より感情移入して楽しむことができるのだと、その時に実感しました。
――この番組では、まさに有田さんが試合に至るまでのストーリーをよく解説されていますよね。
有田さんのプロレストークの魅力は、歴史や背景を分かりやすく解説する圧倒的な話術と構成力、そして本当に好きなことをプロの話術で本気で語る熱と、その面白さだと思います。ちょうどプロレスを初めて観戦しに行った頃、以前、有田さんがラジオ番組でプロレスを熱く語られていた回を聴く機会があったのですが、プロレスのことをまったく知らなかったにも関わらず、そのお話がものすごく面白かったんです。
試合に至るまでのストーリーを臨場感たっぷりに、ドラマチックに語る有田さんの話術に圧倒されて、一気に引き込まれました。それもありまして、有田さんがプロレスを語る番組を作りたいと思い、本格的に企画を立ち上げました。
――有田さんにこの企画について話したときの反応はいかがでしたか。
番組の中でもおっしゃっていましたが、元々有田さんは「自分が好きで見ているものなので、できれば趣味は趣味のままで…」というお考えだったようですが、長く有田さんとご親交があった、この番組の総合演出の方が独立された直後だったこともあり、ご祝儀代わりにと快くお引き受けくださいました(笑)。
――『有田と週刊プロレスと』は、ゲストを迎えて、有田さんが解説していくスタイルですね。
有田さんに最初にご相談に伺ったとき、手元にあった週刊プロレスを見ながら「この試合はこういうドラマがあって、こういうことがあって…」と有田さんが即興で解説してくださったのですが、プロレスにあまり詳しくない総合演出の方はもちろん、一緒に聞いていたプロレス好きの構成作家さんも有田さんのお話に引き込まれました。プロレスに詳しい方もまったく知らない方も、この形式だったら幅広く色々な方が楽しめる番組になるのではないかということで、今の形になりました。まさにその時の有田さんの即興トークは、この番組の「エピソード0」ですね(笑)。