東京には、数えきれないほど多くの飲食店がある。そのジャンルも様々だから、毎日美味しいものを食べることを生き甲斐に働いているグルメ・サラリーマンにとっては嬉しい限り。そんな東京都内で、唯一無二な料理"チャイニットリア"でグルメ通を唸らせている店があるのをご存じだろうか? というわけで、今回は本格イタリアンと中華を融合させたレストラン「ロトブル イタリアン トーキョー」(東京都中央区)をご紹介。

  • 一見するとイタリアン、ひと口食べればわかる中華との融合感

イタリアンと中華を融合させた"チャイニットリア"を提供

新橋駅、汐留駅、築地市場駅から徒歩5分~8分ほど、浜離宮三井ビルディング 1Fに店を構える「ロトブル イタリアン トーキョー」は今年1月にオープンしたばかりの新店。正直、店のある場所は駅から離れており、周辺のビルに勤めている人々が来るにもちょっと面倒なところにある。また、築地市場が移転したこともあって人通りも減っているということもあり、立地的になかなか厳しそう。

  • 天井が高く開放感のある広い店内。大勢でも楽しめそうだ

しかし、そんな条件の悪さを糧に、レストランとしての特色を出すべく考えられたのが、イタリアンと中華を融合させた料理という発想。「ロトブル イタリアン トーキョー」の運営会社は、中華料理の店を関東で32店舗展開しており、全店で本場の中国人スタッフがキッチンで腕を振るっているとのことで、本格的な中華料理が高評価を得ているという。そこで培ったノウハウとイタリアンを融合させてみたらどうなるのだろう? ということで、メニューの開発が始まったそうだ。麻婆豆腐をペンネにかけてみたら? ピザの上にチャーシューを乗せてみたらどうだろう? など、スタッフの遊び心もあって、どんどん斬新なメニューが誕生。

また、メニュー開発にあたり、色んな食材に対してあまり世に出回っていない、あまり知っている人がいない中華スパイスも使ってみたところ、「これはいけるかも! ? 」となったようだ。そして、イタリアンと中華の融合をわかりやすくひと言で表した用語として、“チャイニットリア”という造語も生まれたんだとか。なるほど、立地条件を逆手にとって、新しいジャンルを作り上げるなんて、なかなかすごいぞ、「ロトブル イタリアン トーキョー」。

早速メニューを見てみると、「豚肉とピータンのリゾット」(税別1,000円)、「タコのトマトソース煮 オイスターソース風味」(税別780円)、「生ハムと茄子の潮州辣油ペペロンチーノ」(税別1,540円)、「海鮮醤で仕上げたペスカトーレ」(税別1,580円)等々、見るからに攻めた感じの独創的な料理がズラリ。ピータンとチーズのマッチングの妙だけに飽き足らず、オイスターソースで味付けをしたり、普通は唐辛子で作るペペロンチーノを「潮州辣油」で仕上げたりと、料理人の知識から来る自由な発想と腕前がフルに発揮された料理がラインナップしている。また、最近一般家庭の料理でも注目を集めている五香粉(ウーシャンフェン)を使った「五香粉ガーリックトースト」(2本税別490円)等、手軽に食べられそうなメニューも多い。

一度食べると誰もが"チャイニットリア"の味の虜に

そんなメニューの中から試食させていただいたのは、3品。まずは「肉ボロネーゼソース フェットチーネ」(税別1,100円)。見た感じは、普通のボロネーゼ。一口食べてみると、うん、味も香りも思いっきり中華だ。麻辣醤の絶妙なシビから具合も、パスタとバッチリあっていて美味しい。なるほど、まさしくイタリアンと中華の融合だ。そして、ドーンと豪快に乗っているチャーシューは脂身もしっかりあって食べ応えあり。ディナーのみのメニューとのことだけど、人気のイチオシメニューということで、これを目当てに食べにやってくる人もいるようだ。

  • 一番人気の「肉ボロネーゼソース フェットチーネ」

続いて「肉ピッツァ」(税別1,280円)を食べてみた。オイスターソースが使われているのだが、ちょっと食べたことがない不思議な風味だ。モチモチした生地にチーズとチャーシュー、鴨肉が乗っておりこれまた斬新。鴨肉のスモーキーな香りがたまらなく食欲をそそる。

  • 「肉ピッツァ」はオイスターソースがポイント

  • 厨房にある窯で焼き上げたアツアツのピザは絶品

「サルシッチャ エ チャーシュー」(税別940円)には、チャーシュー、ソーセージが入っており食べ応え満点で、ガッツリと肉を食べたい人にはおすすめ。さらに特製の麻辣醤ソースをつけてみると結構インパクトがあり。じわじわ辛さを感じるこのソース、結構クセになる。色んなものにつけて食べるお客さんが多いというのも頷ける美味しさだ。

  • これ1つでお酒が進みそうな「サルシッチャ エ チャーシュー」

イタリアンと中華の融合というと、脂っこい感じもあるのかなと想像していたが、全然そんなことはなくてとても食べやすくて美味しい料理ばかりだった。食材の合わせ方、スパイスの使い方など、試行錯誤を重ねて誕生したのであろう丁寧な味わいは、おおいに食べてみる価値あり。実際、お客さんにかなり好評のようだ。お店と料理の認知度はまだまだということだが、コースからランチ、ハッピーアワー(17~19時)もあるなど、使い勝手の良さもあり、店の雰囲気も抜群。一度、"チャイニットリア"の味を体験してみたら、会社の同僚や友だち、家族を連れてきたくなるはず。より詳しい情報はオフィシャル・ウェブサイトをチェックしてみてほしい。

  • ハッピーアワーがあるところも嬉しい。まずはここから!?

●information
「ロトブル イタリアン トーキョー(LOTO BLU Italiana TOKYO)」
東京都中央区築地5-6-4 浜離宮三井ビルディング1F
営業時間:
ランチ11時30分~15時(L.O.14時)
ディナー17~23時(L.O.22時)
※土曜はディナー17~22時(L.O.21時、ドリンクL.O.21時30分)
※20名様以上でランチ営業

岡本貴之(オカモト タカユキ)

1971年新潟県生まれのフリーライター。音楽取材の他、グルメ 取材、様々なカルチャーの体験レポート等、多岐にわたり取材・ 執筆している。好きなRCサクセションのアルバムは『BLUE』。趣味はプロレス・格闘技観戦。著書は『I LIKE YOU 忌野清志郎』(岡本貴之編・河出書房新社)」。