社会の少子高齢化で、大きく揺らぐ老後の生活。先日、金融庁が公表した報告書では、「高齢期を迎えた夫婦が老後30年、安心して暮らすには年金だけでなく2,000万円の貯えが必要」との試算を示し、大きな議論を呼んだ。

超低金利の時代、貯蓄だけでは難しい。そこで、初心者向けの株式投資本『株は夢をかなえる道具』(祥伝社)の著者で、元グラビアクイーンで株タレントの杉原杏璃さんに、「初心者が知るべき」5つの株活ルールを伺ったので、前回に続いて紹介する。

  • 元グラビアクイーンで株タレントの杉原杏璃さん(写真:マイナビニュース)

    元グラビアクイーンで株タレントの杉原杏璃さん

ルール4.周囲の友人・家族も貴重な情報源

「4つ目が、まわりの友だちや恋人、家族がいる業界について聞くこと。自分一人で得られる情報には、限界があります。私は、ゲーム業界や広告業界のことは詳しいですが、それ以外はあまり知識がありません。でも、周囲には、その他の業界に詳しい人が必ずいるものです。そこからネットにも載っていない情報を得て、投資に成功したこともあります」

著書では、メイクさんからテレビCMが流れる前の商品について「これはいいよ」という話を聞き、その会社の株を購入した実例が紹介されている。確かに、勤めている業界のことなら、いろんな情報を持っている可能性が大きい。それを活用しない手はないだろう。

もちろん、ネットの情報も積極的に活用していて、リアルな情報は最初のとっかかりという位置付けとのことだ。

ちなみに、最近はAIを活用したスマホ投資アプリも増えてきていて、杉原さんも幾つか参考にはしている。が、あくまで「最終決断は自分で」がモットーで、そもそも投資を他者に任せる考え方なら、プロに委ねる投資信託を選択したという。

  • 情報をたくさん仕入れて株に生かさないともったいないという

    情報をたくさん仕入れて株に生かさないともったいないという

ルール5.終わりよければすべてよし

「5つ目が、途中で損が出ても、1年間のトータルでプラスになっていればOKということ。株式投資をしていれば、山あり谷ありです。買った価格より下がって、含み損になるのは、よくあることです。私も始めたばかりの頃、1カ月で含み損が20万円になったことがあります。夜も寝られないくらい落ち込みました。でも、一喜一憂しても始まりません。途中で損が出たとしても、『終わりよければすべてよし』くらいの気持ちになることが必要。投資はメンタル面を鍛えることが大切です」

確かに、初心者にとって投資のハードルになるのが含み損だろう。投資のプロは「損切り」の大切さを説くが、杉原さんは含み損になっても、バックやアクセサリーのように、ずっと持っていればいいと言う。大手の安定した会社であれば、大概、戻り売りのチャンスがある。損切を考えなくてよければ、ハードルはぐっと下がる。

  • すぐに損切りしないという

    すぐに損切りしないという

始めることで、見えてくること

杉原さんは、著書のなかで、ビジネスで一番大切なのは、経験、知識やセンス、才能などではなく、行動力だと書いている。最後に、読者の皆さんへのエールを頂いた。

「私は芸能界で、さまざまな仕事を経験しました。実感したのは、やってみないと自分に向いているかどうか分からないということ。株式投資も一緒です。まずは始めてみること。すると、いろいろなことが分かってきます。経済や社会に疎かった私が、それらの知識を深めることができたのは一例です。皆さんも、ぜひ一歩を踏み出してみてください」

取材協力:杉原杏璃(すぎはら・あんり)

タレント
広島県出身、グラビアクイーンとして雑誌、バラエティ番組にも多数出演、最近では小説の発表や10年前からの株式投資が話題になり株タレントしても活動の幅を広げている。