日本民営鉄道協会は8日、2018(平成30)年度に発生した駅係員・乗務員等の鉄道係員に対する暴力行為の件数について集計した結果、35社局で計630件、対前年26件減だったと発表した。

  • 7月12日以降、各鉄道事業者が駅構内・列車内で暴力行為防止ポスター「人をぶっちゃダメなんだよ。」を掲出する(画像は列車内用)

今回の発表では、JR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州・札幌市交通局・東京都交通局・横浜市交通局・名古屋市交通局・福岡市交通局・東京モノレール・ゆりかもめ・首都圏新都市鉄道・多摩都市モノレール・北総鉄道・横浜シーサイドライン・愛知環状鉄道・大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)により、件数の集計が行われた。

発生件数は2014(平成26)年度以降、連続して減少傾向を示しているものの、依然として暴力行為が多く発生している現状にある。また、暴力行為の加害者の約53%(630件中336件)が酒気を帯びており、月別では4月と10~12月、曜日別では週末にかけて増加し、時間帯別では深夜の発生件数が多いことから、暴力行為と飲酒に相関関係が見られるとしている。加害者の年齢に偏りはなく、幅広い年代に分布している。

ここ数年、暴力行為が減少していることについては、全国の鉄道事業者による啓発ポスターの掲出、警察官の巡回や警備員の配置、駅係員の研修等の取組み、監視カメラの駅構内・車内への設置などが抑止に寄与したものと考えられる。引き続き、暴力行為は絶対に許されないこと、暴力行為に対して鉄道業界全体が結束し、毅然とした態度で対応することを強く訴えていくとしている。

あわせて鉄道事業者共同で、暴力行為防止ポスター「人をぶっちゃダメなんだよ。」を制作。7月12日から各事業者の駅構内・列車内に掲出する。この取組みにより、駅・列車内における駅係員・乗務員など鉄道係員への暴力行為、あるいは利用者同士のトラブルによる暴力行為に対し、各鉄道事業者が連携して防止を呼びかけるという。ポスターの制作にあたり、警察庁と国土交通省の後援を受けており、掲出期間は7月12日から9月11日までの2カ月間となる。