ドラマ『中学聖日記』(TBS)で、教師と禁断の恋に落ちる生徒役で大ブレイクした岡田健史。待望の初主演ドラマは、岡田の地元・福岡県をフィーチャーしたFBS福岡放送の開局50周年スペシャルドラマ『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』(7月19日19:00~)だ。5月12日で20歳になったばかりの岡田を直撃。彼は、物怖じしない真っ直ぐな目で、初主演ドラマの感想と、野球での学び、令和の目標について語ってくれた。

  • 岡田健史

    FBS福岡放送の開局50周年スペシャルドラマ『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』で初主演を務める岡田健史

原作は新島秋一の同名コミックで、岡田が演じるのは、幼少期に博多に住んでいたが、今は東京で暮らす男子高校生、その名も東京(あずまみやこ)。ある日、京は、博多から転校してきた幼なじみ・博多乃(はかたの)どん子と再会し、京たちクラスメートは、こてこての博多弁で博多愛を炸裂させるどん子のペースに巻き込まれていく。どん子を演じるのは、岡田と同じく福岡出身で「女子高生ミスコン2017-2018」グランプリを獲得した福田愛依。『今日も嫌がらせ弁当』(6月28日公開)の塚本連平が演出を手掛ける。

――まずは、地元・福岡を舞台にした本作に出演された感想から聞かせてください。

こんなに早く自分の故郷である福岡のドラマに携われるとは思ってなかったので、本当に幸せです。だからこそ全力で撮影に取り組んでいるので、楽しみにしていてください。

――福岡出身ということで、博多でおすすめのスポットや郷土料理を教えてください。

申し訳ないのですが、僕は野球しかやってこなかったので(苦笑)。食べ物だと自分はラーメンが一番大好きですが、お刺身などの海鮮系もおいしいです。上京してからは「福岡いいよね。食べ物が何でもおいしいし、生活環境も良くて住みやすいし」とよく言われますが、自分の故郷をそういうふうに言っていただけることはすごくうれしいです。

――「博多弁の女の子はかわいい」というのはとてもうなずけますが、岡田さんは、博多弁のどんなところがかわいらしいと思いますか?

それはよく聞かれるんですが、やっぱり語尾の“と”がかわいいなと。「好いとうと」とかは、正直使わないのですが、活用形としては合ってます(笑)。博多弁の特徴がよく出ているし、僕も福岡を離れてみて初めて見えてくる部分もありました。ただ「好いとうと」と言うと、通常は「好きなの?」という疑問形になります。普通に言うと「好きです」とか「好きやけんね」とか「好きっちゃんね」になるのかなと。

――『中学聖日記』の会見では、「現場で有村架純さんに引っ張ってもらった」とおっしゃられていましたが、今回は福田さんが「岡田さんが引っ張っていってくれました」と言われています。岡田さんのなかで、意識の変化はありましたか?

福田さんはそういうふうおっしゃってくれたのですが、僕は自分が引っ張っていったという意識は全くなかったです。主演として京役をやらせていただくのはめちゃくちゃありがたいことですが、正直、主演だとは思っていないです。前作で自分が足りなかったことを今回の現場ではやってみようとか、もっと挑戦してみようとか、そういう思いだけです。現場でもそういう意識でいるので、自分がどういうふうにやれば、どん子と京が生き生きするんだろう? ということをまず考えます。そこを福田さんは「引っ張っていってくれます」と言ってくれたのかなと思います。

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――今回はラブコメディということで、また『中学聖日記』とは全く作風が違いますが、現場はいかがですか?

そうですね。ラブコメディということで、芝居はすごく楽しいです。前作とは全然違うニュアンスの作品のなかで、自分がどういう役割を果たすことができるのかと考えたりするので、ドラマを撮り終えて、作品ができたあと、どういう課題が見つかるのかも楽しみにしています。

――岡田さんは高校までずっと野球一筋で、キャッチャーをされていたから、相手役の気持ちもわかるのではないですか?

いや、福田さんについては、気遣わないといけないと思って接しているわけではないです。ただ、どうせ一緒にやるのなら楽しくやりたいし、お互いに少しでもいい作品にできるようにしたいとは思っています。そういう意味で言うと、福田さんが少し迷われている時などは、もしも自分が迷った時、どうしてくれたらうれしいのか? と、自分に問いかけてみます。それで、自分がされてうれしいことをするよりも、自分がされて嫌なことをしないようにしています。

――では、野球で培われたものが、何か武器として役者業に生かされていると感じたことはありますか?

武器というか、僕にはそれしかないです。自分が生きていくうえで、使っていくべきものは、野球を通して学んだものばかり。先日、僕は20歳になりましたが、11年間野球をやってきたので、単純計算すると、人生の半分以上を費やしたことになります。野球で学んだことや楽しかった思い出、悔しかったこと、辛かったことが全部、今の自分を作った基盤になっていると信じています。また、野球から離れた今になって「あのとき、監督が言っていたのはこういうことだったのか」と思ったりもします。

――たとえばそれは、どんな時にそう思ったのですか?

高校野球で、監督から「気づきの多さが勝敗を分ける」と言われました。それは「あのピッチャーの癖はどこだろう?」とか「相手の監督はどういう癖があって、この時はこういう作戦で来るだろう」と考えながら、判断して動くことが大事ではないかと。たとえば「日頃から、ゴミが落ちていたら拾うとか、そういうふうに視野を広くしていないと、気づくことすらできない」と、言われました。

高校時代の監督に限らず、小中高と野球の指導者の方々は、野球の技術はもちろんのこと、社会に通用する人間を育てることを第一とされ、そういった人間力を鍛える指導をたくさんしていただいた気がします。今思えば、恵まれた環境の中で、野球ができたなと思います。役者として相手役の方の変化に気づいた時、自分がそれに反応できるかできないかは、そういうところなのかなとも感じています。

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――『中学聖日記』でブレイクされて、生活環境は変わりましたか?

そこはがらりと変わりました。野球をやっていた時の体とは程遠いというか、全然違う体質になっていますし、たくさんの変化を感じてはいます。でも、僕は変化していくことが当然だと思っていますし、変化しないほうが怖いです。これからも自分が変わること、また、周りの環境が変わることを恐れず、どんどん自分から積極的に取り組んでいきたいと思います。

――では、20歳を迎えて以降、心境の変化はありましたか?

強いていえば責任が増えました。20歳ということで、もう親の責任下ではなく、自分でやったことがすべて自分に返ってくるので。僕はたまたま20歳になった年が、令和になった年でもありますが、今までよりも一層気を引き締めていくことが大切だと思っています。だから、敢えて特別なことをやろうとしていくのではなく、一つ一つの仕事に対して、これからもきっちり向き合って生きていこうと思います。

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■プロフィール
岡田建史(おかだ・けんし)
1999年5月12日生まれ、福岡県出身。2018年に芸能界入りし、同年テレビドラマ『中学聖日記』(TBS)のオーディションで主人公の相手役・黒岩晶に抜擢され、俳優デビュー。『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』が初のドラマ主演作となる。

衣装クレジット:ジャーナル スタンダード 表参道、BILLY'S