ホンダが今、Hondaウエルカムプラザ青山(東京都港区)で「CBと駆け抜けた時代」をテーマにした特別展を開催中だ。日本の二輪史にその名を刻む「CBシリーズ」の誕生60周年を記念する展示会で、会場にはもはや伝説といえる歴代CBの実車や貴重なCBシリーズのプラモデルが展示されている。ホンダユーザーはもちろん、モーターサイクルファン必見のイベントだ。

  • 「CBと駆け抜けた時代」展の展示

    6月24日(月)まで開催される「CBと駆け抜けた時代」展。日本二輪の歴史が凝縮された濃厚な展示の数々が無料で楽しめる

6月16日には会場にゲストを招き、“CBスピリット”について語り合う「CBスペシャルトークショー」を開催。元SKE48メンバーで現在はタレントとしてマルチに活動する梅本まどかさんやモータージャーナリストの宮城光氏、フォトグラファーの原富治雄氏に加え、CBの開発に携わるホンダ 二輪事業本部の坂本順一氏が登場し、約2時間にわたって白熱したトークライブを繰り広げた。

  • 「CBスペシャルトークショー」の登壇者

    トークショーのゲストとして登場した原氏(左)、梅本さん(中)、坂本氏(右)。それぞれが自身のCB愛を熱く語っていた

時代に愛された名車たち

このバイクの歴史は、1959年に初めてCBの名を冠して市場に登場した「ベンリィ CB92 スーパースポーツ」から始まった。125ccという排気量でありながら、最高出力15PS/10,500rpm、最高時速130キロを叩き出し、リッターあたりでは100PSを超える高性能を発揮。同年開催の第2回全日本モーターサイクル・クラブマンレース(浅間高原)では、北野元選手を背に優勝を果たすなど、日本スポーツバイクの草分け的存在だ。

  • ホンダ「ベンリィ CB92 スーパースポーツ」

    会場に展示されている「ベンリィ CB92 スーパースポーツ」。CBの歴史はこの1台から始まった

その後も、CBは時代を彩ってきた。公道向けの市販車としてDOHCエンジンを初搭載した「ホンダドリーム CB450」(1966年)や“ナナハン”ブームを巻き起こした「ホンダドリーム CB750 フォア」(1969年)、『バリバリ伝説』など数々の人気バイク漫画にも登場した「CB750F」(1982年)など、まさにCBの歴史は日本二輪の歴史といっても過言ではないだろう。

  • 「ホンダドリーム CB450」

    「ホンダドリーム CB450」

  • 「ホンダドリーム CB750 フォア」

    「ホンダドリーム CB750 フォア」

  • 「CB750F」

    「CB750F」

  • 「CB1000 SUPER FOUR」

    「CB1000 SUPER FOUR」

CBの魅力は時代を超えて、また老若男女を問わずライダーを魅了する。6月16日の「CBスペシャルトークショー」を見ていると、それがよく分かった。

  • 「CBスペシャルトークショー」の登壇者

    モータージャーナリスト、写真家、タレント、CB開発担当者という多彩な顔ぶれで行われた「CBスペシャルトークショー」

トークショーで司会を務めた宮城氏は、16歳で購入して現在も所有している「CB400 FOUR」をはじめ、これまでにCBと名の付くバイクを計10台購入したというCBフリーク。「CBというブランドが60年続いているのは、本当にすごいこと。全てのオーナーさんにとっての良きパートナーであるのがCBなんだと思います」と思いを語った。

  • 「CBスペシャルトークショー」

    トークショーでは写真を見ながら1台ずつCBの歴史を振り返った。中にはCBシリーズを一挙に集めた圧巻のスライドも

  • 「CBスペシャルトークショー」

    究極を表す「X」を車名に冠した「CBX」。ある意味、CBの完成形ともいえるこのマシンを宮城氏は約2カ月前に購入したことを明かした

梅本さんもCBの魅力に現在進行形でハマっている1人だ。現在は「CB400 SUPER FOUR」にまたがり、バイクライフを楽しんでいるという。トークショーでは、彼女が初めての愛車に「CB400 SUPER FOUR」を選んだエピソードが披露された。

  • 元SKE48の梅本まどかさん

    CBにぞっこんの梅本さん。「CBの歴史を知ることができたからこそ、次が楽しみ」とトークショーの感想を述べた

二輪免許の取得後、3~4年ほどはペーパーライダーだったこともあり、当初は250ccの購入を検討していた梅本さん。しかし、ショップで「CB400 SUPER FOUR」を目の当たりにすると、「またがった感じと音」に一目惚れ。もともと「カッコいいバイクに憧れている一方で、今のバイク(年式の新しいモデル)は安全」という印象を持っており、そのイメージにぴったり重なった「CB400 SUPER FOUR」の購入に踏み切ったという。

  • 梅本さんが所有する「CB400 SUPER FOUR」

    梅本さんが所有する「CB400 SUPER FOUR」も会場に展示されている

  • ホンダ「CB1000R」

    エンジン部分が「ガチャピンの顔みたいでかわいい」と梅本さんから思わぬ評価が下された「CB1000R」

続けて、「どこにでも一緒にいける相方」と愛車を表現した梅本さんは、その真意を「自分にチャレンジをさせてくれるし、違う自分を引き出してくれる存在」と説明した。なんでも一度、真冬の名古屋~東京間を高速道路を使わずに移動しようと思い、実行したことがあるそうだが、これも「CB400 SUPER FOUR」が安心感を抱かせてくれたからこそだという。ちなみに、残念ながらその挑戦は、雪のため、東京まであと1時間のところで断念したそうで、「いずれ再チャレンジしたい」と笑顔を見せていた。

脈々と受け継がれるCBスピリット、その歴史の全てが集結

CBの魅力を多角的に感じることができる「CBと駆け抜けた時代」展。会場内には、歴代CBシリーズやCBの魂を受け継ぐ「CB1000R」「CB650R」などの現行CBシリーズのほか、著名人が所有するCBやフォトグラファー原富治雄氏による初公開の写真、タミヤ製のCB模型などが展示されている。

  • 「CBと駆け抜けた時代」展の会場風景

    「CBと駆け抜けた時代」展の会場風景

  • 俳優の浅野忠信さんが所有する「CB1100」

    俳優の浅野忠信さんが所有する「CB1100」

  • タミヤのCB模型

    高い再現度を誇るタミヤのCB模型

「CBと駆け抜けた時代」展の会期は6月24日(月)まで。無料で入館できるのも嬉しいポイントだ。開催期間があとわずかとなっているため、興味のある方には早めの来訪をおすすめしたい。

  • 「CBと駆け抜けた時代」展の会場風景
  • 「CBと駆け抜けた時代」展の会場風景
  • 「CBと駆け抜けた時代」展の会場風景
  • 「CBと駆け抜けた時代」展の会場風景
  • 「CBと駆け抜けた時代」展の会場風景
  • 「CBと駆け抜けた時代」展の会場風景