ホンダが今、Hondaウエルカムプラザ青山(東京都港区)で「CBと駆け抜けた時代」をテーマにした特別展を開催中だ。日本の二輪史にその名を刻む「CBシリーズ」の誕生60周年を記念する展示会で、会場にはもはや伝説といえる歴代CBの実車や貴重なCBシリーズのプラモデルが展示されている。ホンダユーザーはもちろん、モーターサイクルファン必見のイベントだ。
6月16日には会場にゲストを招き、“CBスピリット”について語り合う「CBスペシャルトークショー」を開催。元SKE48メンバーで現在はタレントとしてマルチに活動する梅本まどかさんやモータージャーナリストの宮城光氏、フォトグラファーの原富治雄氏に加え、CBの開発に携わるホンダ 二輪事業本部の坂本順一氏が登場し、約2時間にわたって白熱したトークライブを繰り広げた。
時代に愛された名車たち
このバイクの歴史は、1959年に初めてCBの名を冠して市場に登場した「ベンリィ CB92 スーパースポーツ」から始まった。125ccという排気量でありながら、最高出力15PS/10,500rpm、最高時速130キロを叩き出し、リッターあたりでは100PSを超える高性能を発揮。同年開催の第2回全日本モーターサイクル・クラブマンレース(浅間高原)では、北野元選手を背に優勝を果たすなど、日本スポーツバイクの草分け的存在だ。
その後も、CBは時代を彩ってきた。公道向けの市販車としてDOHCエンジンを初搭載した「ホンダドリーム CB450」(1966年)や“ナナハン”ブームを巻き起こした「ホンダドリーム CB750 フォア」(1969年)、『バリバリ伝説』など数々の人気バイク漫画にも登場した「CB750F」(1982年)など、まさにCBの歴史は日本二輪の歴史といっても過言ではないだろう。
CBの魅力は時代を超えて、また老若男女を問わずライダーを魅了する。6月16日の「CBスペシャルトークショー」を見ていると、それがよく分かった。
トークショーで司会を務めた宮城氏は、16歳で購入して現在も所有している「CB400 FOUR」をはじめ、これまでにCBと名の付くバイクを計10台購入したというCBフリーク。「CBというブランドが60年続いているのは、本当にすごいこと。全てのオーナーさんにとっての良きパートナーであるのがCBなんだと思います」と思いを語った。
梅本さんもCBの魅力に現在進行形でハマっている1人だ。現在は「CB400 SUPER FOUR」にまたがり、バイクライフを楽しんでいるという。トークショーでは、彼女が初めての愛車に「CB400 SUPER FOUR」を選んだエピソードが披露された。
二輪免許の取得後、3~4年ほどはペーパーライダーだったこともあり、当初は250ccの購入を検討していた梅本さん。しかし、ショップで「CB400 SUPER FOUR」を目の当たりにすると、「またがった感じと音」に一目惚れ。もともと「カッコいいバイクに憧れている一方で、今のバイク(年式の新しいモデル)は安全」という印象を持っており、そのイメージにぴったり重なった「CB400 SUPER FOUR」の購入に踏み切ったという。
続けて、「どこにでも一緒にいける相方」と愛車を表現した梅本さんは、その真意を「自分にチャレンジをさせてくれるし、違う自分を引き出してくれる存在」と説明した。なんでも一度、真冬の名古屋~東京間を高速道路を使わずに移動しようと思い、実行したことがあるそうだが、これも「CB400 SUPER FOUR」が安心感を抱かせてくれたからこそだという。ちなみに、残念ながらその挑戦は、雪のため、東京まであと1時間のところで断念したそうで、「いずれ再チャレンジしたい」と笑顔を見せていた。
脈々と受け継がれるCBスピリット、その歴史の全てが集結
CBの魅力を多角的に感じることができる「CBと駆け抜けた時代」展。会場内には、歴代CBシリーズやCBの魂を受け継ぐ「CB1000R」「CB650R」などの現行CBシリーズのほか、著名人が所有するCBやフォトグラファー原富治雄氏による初公開の写真、タミヤ製のCB模型などが展示されている。
「CBと駆け抜けた時代」展の会期は6月24日(月)まで。無料で入館できるのも嬉しいポイントだ。開催期間があとわずかとなっているため、興味のある方には早めの来訪をおすすめしたい。