西山朋佳女王に里見香奈女流四冠が挑戦する第12期マイナビ女子オープン五番勝負第4局が5月22日、東京・将棋会館で行われ、西山女王が勝ってシリーズ成績を3-1とし防衛を果たしました。

的確な攻めで女流棋士第一人者下す

タイトル初防衛を果たした西山女王

両者振り飛車党の今シリーズ。西山女王が先手番の第1局、第3局は相振り飛車へと進みましたが、第2局は先手番の里見女流四冠が序盤早々に居飛車で戦う意志を明らかにし、同じく先手となる本局での戦法選択が注目されました。里見女流四冠の選択は第2局同様に居飛車で、「居飛車急戦」対「三間飛車」の戦いへと進みました。

中盤まで優劣がつかず、難しい局面が続いていましたが、持ち時間各3時間で里見女流四冠が残り15分となった時点で西山女王は1時間以上を余していました。時間が切迫した里見女流四冠の指し手に乗じて西山女王が徐々に優位に立ち、最後は完全に突き放しての勝利となりました。終局時の残り時間は西山女王40分、里見女流四冠0分。

タイトル初防衛を果たした西山女王は1995年生まれの23歳。女流棋士ではなく奨励会に所属し、女流棋戦においては主に女流棋士以外にも参加資格のある本棋戦とリコー杯女流王座戦で活躍しています。2014年第4期女流王座戦でタイトル初挑戦を果たしましたが、加藤桃子女流王座に3-0で敗れ、そのリベンジマッチとなった2回目のタイトル挑戦、2018年度第11期マイナビ女子オープンで加藤桃子女王(※いずれも当時)を3-1で破って初タイトルを獲得しました。

奨励会ではプロ棋士四段の一歩手前、奨励会三段リーグに2016年度前期の第59回から参加、現在も四段を目指し奮闘中です。

敗れた里見女流四冠は五冠への返り咲き失敗となりましたが、うつむいてはいられません。現在1勝1敗、渡部愛女流王位に挑戦する第30期女流王位五番勝負第3局が5月29日に迫っています。

西山女王が女性として2人目の奨励会三段なら、里見女流四冠は女性初の奨励会三段。タイトル戦では初の顔合わせとなった女性最高峰の戦い。今回は西山女王が制しましたが、これからも両者の戦いは続いていくことでしょう。