ご近所トラブルや突発的な事故、ハラスメントなど、いつ、どんなトラブルに巻き込まれないとも限らない今日この頃。多様化する日常のトラブルに備えておきたい、と考えるのも当然です。
そんなときの選択肢になるのが、弁護士費用を補償する保険です。費用を補償してくれるだけでなく、弁護士の紹介や無料相談などの特典もあり、いざというときに心強い味方になってくれそうです。
日常的なトラブルでも弁護士のアドバイスが必要な時代に?!
「水と安心はタダ」といわれた日本ですが、いまや飲料水はミネラルウォーターを買う人が多くなり、ホームセキュリティを導入している住宅も増えている時代。これまでは日本人の美徳ともいえる性善説に基づいた人間関係を基盤に社会が成立していましたが、近年はそれもなかなか厳しい状況になってきている感じがしませんか。
そこで注目されているのが弁護士費用保険です。トラブルが発生して弁護士に相談をしたり、裁判時の弁護士費用を補償してくれたりする保険です。そもそも日本はアメリカのように訴訟社会ではありませんから、一般の民間人は弁護士などの法曹関係者と交流がある人は限られています。
トラブルに巻き込まれても、どうやって自分や家族を守ったらいいのか、誰に相談したらいいのかもわかりません。弁護士費用保険に加入していれば、裁判などの弁護士費用はもちろん、トラブルが起きたとき問題が大きくなる前に弁護士にアドバイスを受けることもできるのです。
ニッチな商品といえば少額短期保険
こんな時に補償してくれる保険があったら……。そんな気持ちに応える、ニッチな保険を取り扱うのが少額短期保険会社です。少額短期保険とは、その名の通り少額(引き受け限度額は1被保険者あたり1000万円まで。
さらに区分ごとに上限あり)、短期(生命保険や医療保険は1年、損害保険は2年の範囲内)、かつ掛け捨ての保険のみを販売。従来の生命保険会社や損害保険会社は取り扱わなかったような分野で、しかもオリジナルな商品を提供しています。
「弁護士費用を補償する」というニーズに単体で加入するなら、やはり選択肢は少額短期保険会社の商品。主なものをまとめたのが下表です。
いずれの商品も、基本的には弁護士費用や法律相談の費用を補償してくれるというもの。これに契約者への特典として、弁護士からアドバイスを受けられる電話サービスや弁護士などの専門家の情報提供といったサービスが付帯されています。
保険料の違いは、補償するトラブルの範囲によるもの。ジャパン少額短期保険の「痴漢冤罪ヘルプコール付き 弁護士費用保険」が補償するのは、痴漢に間違われたときや痴漢被害に遭ったときといった偶然の事故の場合のみです。
これに対しエール少額短期保険の「弁護士保険コモンLite」はパワハラやセクハラ、離婚問題、近隣問題など所定の身近な法的トラブルが支払対象。プリベント少額短期保険の「弁護士費用保険Mikata(ミカタ)」は、リストラ、いじめ、医療過誤、金融商品問題などの一般事件はもちろん自動車事故や火災などの特定偶発事故も対象です。
また加入時にすでに起こっているトラブルは対象外、一般事件は3カ月~1年程度の待機期間があるなど、保険金の支払にはさまざまな条件があります。少額短期保険会社はネット上で手続きをするものが多いので、補償の範囲や条件はきちんと確認しましょう。
弁護士費用保険は、いまある保険などにプラスすることもできる
弁護士費用保険って聞いたことがある気がする……、という人もいるかもしれません。それもそのはず、弁護士費用保険は自動車保険に特約で付けることができるものなのです。
ただし、これまでは自動車保険の特約で補償されるのは自動車事故の弁護士費用のみでした。ところが昨今の事情を受けて、最近は自動車事故以外の日常生活トラブルの弁護士費用も補償する特約が登場しています。
自動車保険以外にも、JCBカードはトッピング保険のひとつとして、被害事故や人格権侵害の法的トラブルに遭った時の弁護士費用を補償してくれるサービスを提供しています。
それらの主なものをまとめたのが下表です。
少額短期保険会社の弁護士費用保険と主な内容はほとんど同じ。加入を考える際は、まず自分がすでに入っている保険で特約として付加できるものはないかを調べ、補償されるトラブルの範囲と保険料を見比べて必要な補償を安い保険料で確保できるものを選びましょう。