西山朋佳女王に里見香奈女流四冠が挑戦する第12期マイナビ女子オープン五番勝負第1局が4月22日、東京都港区「明治記念館」で行われ、西山女王が勝ってシリーズ成績を2-0とし、初防衛まであと1勝としました。
最強の挑戦者を堂々押し切る
西山女王は現役奨励会三段で、プロ四段を目指し6日に開幕した第65回奨励会三段リーグに参戦中。里見女流四冠は女流棋界においてタイトル戦登場41回(※今期の挑戦を含む)、通算獲得数35期の実績を持ち、かつ女性初の奨励会三段。女流棋界で突き抜けた存在とも言える両者の対局は、第1局にも負けず劣らずの大熱戦となりました。
両者、序盤の段階で飛車を角のいる側に移動させ、元々飛車がいた付近に玉の城を築く「振り飛車」を得意とし、第1局は互いに飛車を振る「相振り飛車」へと進みましたが、本局は先手の里見女流四冠が開始3手目に、飛車を振らない「居飛車」の意思表示をしたため「居飛車」対「振り飛車」の戦いとなりました。
互いに強固な玉の城を築く「持久戦」へと進み、45手目、里見女流四冠が自分の駒を相手の駒にぶつけて盤上で激しい戦いが始まりました。中盤で優位に立ったのは西山女王。そのリードを終盤まで保ち続け、最後は自玉の安全度を読み切って相手玉を攻略しました。
第1局は逆転勝ち、第2局は押し切りと、良い流れで2勝を挙げた西山女王。しかし相手は最強の挑戦者ですから、ここで決めなければの危機感を持って第3局に臨むことでしょう。
一方、里見女流四冠は苦しい星となりました。しかし過去に、2016年度、第43期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負の上田初美女流三段戦、2017年度、第7期リコー杯女流王座戦五番勝負の対加藤桃子女王(当時)戦と、2シリーズにおいて2連敗後の3連勝で防衛を果たしています。またこれまで五番勝負でのストレート負けは1度も喫していませんが、本シリーズはどうなるでしょうか。
西山女王の一気防衛か、里見女流四冠が踏みとどまるか。大事な第3局は5月14日、さいたま市「桜茶屋」で行われます。