女王4期、女流王座4期獲得の実績を持つ加藤桃子奨励会初段が奨励会を退会、女流棋士となることが日本将棋連盟より発表されました。2019年4月1日付で女流棋士三段となります。

実績抜群! 女流棋界に強力新人誕生

加藤桃子新女流三段。4月からはすべての女流棋戦に参加できる

加藤新女流三段の名前がファンに広く知れ渡ったのは2011年度。当時16歳、女流棋士だけでなく女性アマチュア、女性奨励会員も参加できる、この年度に新設された第1期リコー杯女流王座戦で決勝五番勝負に進出したのです。相手は女流棋界で永くトップを走り続ける清水市代女流六段でした。

その五番勝負、加藤新女流三段は◯●◯と初代女流王座まであと1勝と迫ります。しかし第4局、最終盤まで勝勢だった将棋を錯覚による大失着で落とし、フルセットに持ち込まれてしまうのです。

しかし迎えた第5局、加藤新女流三段は前局の悪しき思いを引きずってはいませんでした。若さそのまま、一貫して攻めの姿勢を崩さず、レジェンド・清水女流六段を倒したのです。

加藤桃子初代女流王座誕生を報じた週刊将棋2011年12月21日号

同じく女流棋士以外にも門戸を開いているマイナビ女子オープンでは2014年度の第7期に挑戦権を獲得、第一人者里見香奈女王(当時)との五番勝負を3-1で制し、タイトル「女王」を獲得しています。以降3期防衛を続け連続獲得4期とし、連続5期獲得者に許される永世称号「永世女王」まであと1期と迫りましたが、今年度行われた第11期マイナビ女子オープン五番勝負で挑戦者の西山朋佳奨励会三段に1-3で敗れ、そちらは、もうひとつの条件「通算7期獲得」を満たすまでのおあずけとなりました。

里見女流四冠に西山女王、奨励会からの転向組である伊藤沙恵女流二段の3人が女流棋界のタイトル戦線を席巻している現在の女流棋界ですが、タイトル獲得数ではこの中に入っても2番目となる加藤新女流三段もこれに加わってくることは間違いありません。

プロ四段の夢は消えてしまい残念ですが、これからは新しいフィールドでこれまでと変わらない強い姿を見せてくれることでしょう。