JR東日本は27日、東北新幹線仙台~古川間で2018年6月17日に発生した地絡(ショート)による車両故障を受け、地絡発生時に車両機器への影響を最小限にとどめ、運転再開までの時間を短縮することを目的とした車両故障対策について発表した。

  • JR東日本が地絡(ショート)発生時の新幹線車両故障対策について発表

車両事故は2018年6月17日の下り「はやぶさ・こまち21号」(E5系・E6系併結)で発生。仙台~古川間を走行中、E6系の12号車屋根上にあるパンタグラフ(架線から電気を取る装置)下部の碍子付近に鳥がぶつかり、地絡(ショート)したことが原因とされている。

その際、E5系・E6系双方の車両を制御する電気機器が損傷し、一時的にブレーキを緩めることができない状況となったため、東北新幹線は長時間にわたって運転を見合わせるとともに、東北・上越・北陸・山形・秋田の各新幹線で終日にわたり運休および大幅な遅延が生じた。

車両側の原因としては、E5系・E6系併結時に双方の車体は連結器でつながっているが、E6系側の車体に流れた地絡電流がE5系の車体には流れにくかったため、地絡電流の一部がE5系・E6系の間を渡っている制御電線を経由して電気機器にも流れたことにより、損傷したものと判明したという。

対策としては、E5系・E6系併結時にどちらかの編成で地絡(ショート)した場合、双方の車体間を地絡電流が流れやすくなるように、E5系・E6系の車体間にアース線を追加する改造を実施する。これにより、地絡電流が制御電線に流れ込み、電気機器を損傷させることを防止する。2019年6月末までにE5系・E6系の全編成で改造予定としている。