近年、男性のスキンケアへの関心が高まってきているのはご存知だろうか? 男性向けコスメティック分野の市場規模が拡大しており、化粧品といえば“女性が使うもの”というイメージは、古い考え方になりつつある。……とは言うもののまだまだ化粧への抵抗が少なくない人が多いのが現状だろう。そこで今回は、CM、雑誌等のヘアメイクとして活動し、パリメンズコレクションではリードアーティストも務める資生堂ヘアメイクアップアーティストの中村潤氏に、なかなか聞きづらい男性化粧の基本手順をお答えいただいた。
メイクの手順
(1)スキンケアで肌に潤いを与えます。普段肌がテカりやすいと感じている方は、さっぱりタイプのスキンケア用品を使用してください。
(2)ファンデーション、コンシーラーを塗布します。これらは肌悩みによって使い分けます。頬の赤みや肌にシミなどの広範囲のムラがある場合はファンデーション、目の下のクマや吹き出物など小さな面積を隠すときはコンシーラーを使います。
(3)塗布するときに気をつける事は、量を塗りすぎない事です。ファンデーション、コンシーラーは形状によって直接肌に塗るものや、指にとってから肌に塗るものもありますが、いずれもきちんとカバーできる最低限の量を塗布する事が男性のメイクには大切です。
(4)ファンデーション、コンシーラーは顔全体を均一にカバーするよりも顔の内側がカバーを強まるように塗布し、外側に向けて塗布する量が少なくなると自然です。
(5)ファンデーションやコンシーラーを塗った後、ベタつきが感じるようならティッシュを軽く当てて、余分なファンデーションや油分を吸い取ってください。
(6)必要であれば、アイブローペンシルで眉を描き足します。特に眉尻が加齢とともに短くなってしまった方は少し描き足すと精悍さが上がります。
女性と男性のメイクの違い - 男女共有はあり?
基本的な男女の肌質は違うため、男性専用の化粧を使用するべきだと思います。
一番理解しておくべき事は男性の肌は女性より、随分皮脂の分泌が多いという事です。また、皮脂と対照的に水分は女性の半分ほどしかありません。これらは男性の肌はテカりやすく、乾燥してカサついた状態になりやすい事を示しています。
男性用の化粧品は、より男性の肌向けにバランスが調整されていますので、より簡単に使用していただけると思います。
メイクの“やりすぎ”注意点
ファンデーション、コンシーラーの塗りすぎに注意してください。ビジネスシーンには化粧して見えない仕上がりにする事がとても大切です。自分にとって最低限のファンデーション、コンシーラーの使用量を見極める事がとても重要です。
スキンケアもファンデーションも油分を含んでいますので、テカった仕上がりにならないよう注意する必要があります。ファンデーションや皮脂が浮いたような印象ならティッシュを使って抑えてください。
眉を描き込みすぎて不自然にならないように注意してください。ファンデーションと同じで眉も描きすぎ注意です。こういった化粧をしすぎる失敗を防ぐには、はっきり見える鏡で、明るい場所でメイクする事が大事です。そしてメイク中も時折、鏡を自分から少し離して見て、落ち着いて不自然になってないかチェックをしてください。