俳優の東山紀之が、フジテレビ開局60周年ドラマ『砂の器』(3月28日19:57~22:54)に主演することが24日、明らかになった。
松本清張による不朽の名作で、1974年の映画化以降、何度も映像化されてきた同作。今作は、東山演じる鋭い観察眼を持つベテラン刑事と、中島健人演じる父との“宿命”を背負う天才作曲家の攻防、そしてその作曲家が幼い頃生き別れた柄本明演じる父との複雑でせつない“絆”が描かれる。脚本は小峯裕之氏、演出は河毛俊作氏。
今回は舞台を2018年ハロウィーン当日の渋谷と大胆にアレンジ。撲殺死体が発見され、捜査一課の刑事・今西栄太郎(東山)が独自捜査に乗り出す。手がかりは被害者の東北なまりと、“カメダ”という言葉。それらを追跡していくと新たな謎が浮上する。天才作曲家の和賀英良(中島)は、周到かつ完璧な殺害後、協奏曲「宿命」の作曲に没頭していた。華やかな世界、約束された未来。しかし、運命の歯車は確実に狂い出し、秘められた過去の秘密、すなわち父・本浦千代吉(柄本)との関係が暴かれそうになり…。
今回のオファーに、東山は「松本清張先生の作品にはいくつか出させていただいていますが、『砂の器』は名作中の名作ですから、自分もこういう役がめぐってくる年になったのだなと感慨深いです」とコメント。
ジャニーズ事務所の後輩である中島とは初共演となるが、「今の彼にしか出せない輝きや苦悩があると思うので、どう表現するのか僕も楽しみです。歌ったり踊ったりコメディーをやるのとはちょっと違いますから、あぶり出される人間臭さを彼がどう出してくれるのか、期待しています」といい、「僕自身もそうですが、彼が俳優として目指すべき道が見えてくる作品になると思います。巡ってくる役で人生が変わる…いい意味で彼にとっての“光”が見えてくると思いますね」と思いやった。
その中島は「東山さんと共演するのも“宿命”だと思っています。僕が一番憧れている…いや崇拝している先輩なので一緒にひとつの作品を作り上げるというのが僕の夢でした。しかも『砂の器』で、というのが信じられなくて。香盤表を見ると、東山紀之と書いてある。一枚一枚捨てられないです。東山さんからは『勝負しようぜ』と言われましたので、そこは僕も全力で挑ませていただきたいと思います。現場では東山さんを敵だと思ってしっかり対決するのが大事ですので」と決意を表明。
今作のオファーは「感動しました。原作の大ファンだったので、過去に映像化されてきた作品も何度も見てきました。“平成最後の奇跡”だな、と。それくらいこの作品を好きだったので、命をかけてこの役を生きようと思っています」と意気込んだ。
そして、柄本は「今回は現代という時代に置き換えていますから、さまざまな動機も変わっているので、自分なりに感じ取ってやれればいいのではないかな、と思っています。話の骨子はそれほど変えなくても、現代に置き換えている部分で、制作側にはご苦労もあったかと思いますが演じるこちらも頑張ってやりたいと思っています」と語った。
フジテレビの後藤博幸プロデューサーは「今、平成から新しい時代へ変わろうとしています。このまさに時代の転換期だからこそ、人の心をわしづかみにする原作の普遍的要素は生かした上で、今この瞬間の社会的背景を踏まえた舞台設定に改変し、2019年のリアルをぎっしりと詰め込むことで、“宿命”をテーマにした新しい『砂の器』を作ってみたいと思いました」と狙いを話している。
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