第1シリーズの終了から約半年。TVアニメ『ピアノの森』待望の第2シリーズが、NHK総合にて放送中。そこで、本作の主人公、一ノ瀬海を演じる斉藤壮馬と、カイのライバルである雨宮修平を演じる花江夏樹にインタビュー。第2シリーズへの意気込みや、作品の見どころを聞いた。
――まず、第1シリーズのアフレコを振り返ってみていかがでしたか?
斉藤 長い間多くの方に愛されている作品が待望のアニメ化ということで、どんなアニメーションになるのか、どんなアフレコ現場になるのかなと思っていました。漫画では、音を“読ませて”いましたが、アニメになることで、彼らが実際にピアノを弾く姿やその音を、目と耳で楽しむことができてすごく感動しましたね。アフレコ現場での掛け合いも、ナチュラルな芝居をみんなが出し合っていて、あたたかい現場だったなと思います。
花江 僕は修平が大人になってからの出演で、アフレコにも途中からの参加だったんです。現場の雰囲気がすでにできあがっているのに、そこにすっとなじんでいくことができて、いい現場だったなと思います。オンエアを見ても、原作を読んで想像していた音とはまた違う良さがあって、素敵でした。ピアノが題材ではありましたが、そこで描かれる人間関係や登場人物の心の動きが楽しめる、いい作品でしたね。
――第2シリーズのアフレコへ臨むにあたり、変化させたことはありますか?
斉藤 アフレコの時期として間は空いていますが、作中の時間は第1シリーズと第2シリーズで続いているので、変えるというよりは、まず第1シリーズの最後の彼らの心境に戻る必要がありましたね。第2シリーズは、オンエアで得たフィードバックを、より芝居に取り入れることができているかなと思います。第1シリーズでも、オンエアが始まった後は、他の方のお芝居とのバランスを確認して芝居にフィードバックしていましたが、第2シリーズはそれがもっとできているかなと。カイは、第1シリーズよりもキャラクターとして変に作り込み過ぎないようになっていますね。
花江 修平も、第1シリーズの終わりから気持ちの上で変化はないんですが、第2シリーズは「ショパン・コンクール」のお話がメインになってくるんですね。そこで修平がどうカイに立ち向かっていくか、自分に対するコンプレックスをどこまで乗り越えられるのか、葛藤がより具体的になっていくので、その感情を前より意識するようになったとは思います。ただ、あくまでも第1シリーズの最後から続いているということで、ゆるやかにシフトしている感じです。
――カイと修平はライバルですが、演じているお二人が、互いにリスペクトしている部分は?
斉藤 花江くんに対してリスペクトしているところは、いっぱいありますけど、やっぱり瞬発力ですね。とっさのアドリブとか、相手の反応によってとるリアクションが、抜群に面白いし、ユニークな説得力があるんです。同年代、先輩方も含めた中でも、やっぱり花江くんの瞬発力はすごい。自分にはないものなので、すごく尊敬しています。
花江 壮馬くんのすごいところは、飽くなき探究心ですね。ちょっとでも自分の中で引っかかるところがあると、それを突き詰めていくタイプ。僕はちょっとひっかかっても、「まあ別にいっか」と思うんですけど、壮馬くんの場合はそこを見逃さず、自分が納得するまで戦い続ける。その飽くなき探究心は、冒険家ですよね。疲れないかなと思うんですけど、それを貫いているところが、尊敬できます。
――今のお話を聞いて斉藤さんはいかがですか?
斉藤 もともとそういうタイプでしたが、だんだんいい意味で「なんとかなるだろう」と考えられるようになってきたかなとは思います。探究心を持ちながらも、許容範囲を大きくしていきたいですね。
――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。
斉藤 第2シリーズでは「ショパン・コンクール」本選に進んで、新しいピアニスト達が登場しますし、描かれている時間の尺が濃密で、コンクールをより丁寧に描いています。第1シリーズよりも濃厚になった心理劇と、そして素敵なピアノの演奏を目と耳で楽しんでいただければと思いますので、第2シリーズをよろしくお願いします。
花江 第2シリーズは、修平の見せ場として、彼のピアノが変わる瞬間があって。その苦悩や気持ちの変化は、演じていて僕も「頑張ったな、修平」と思ったので、そこをぜひ見ていただきたいです。それから、「ショパン・コンクール」の結果がどうなるのか、カイと阿字野の約束、その結末を見届けていただけたらと思います。