東京急行電鉄、JR東日本、ジェイアール東日本企画は31日、国内外の観光客が鉄道・バス・AIオンデマンド乗合交通・レンタサイクルなどの交通機関をスマートフォンで検索・予約・決済し、目的地までシームレスに移動できる2次交通統合型サービス「観光型MaaS」について、4月から始まる「静岡デスティネーションキャンペーン」に合わせて伊豆エリアで実証実験を開始すると発表した。

  • 東急電鉄やJR東日本など、「静岡デスティネーションキャンペーン」開催に合わせて「観光型MaaS」の実証実験を開始する(写真は伊豆急行8000系)

実証実験では、日英2カ国語対応とした無料の専用アプリ「Izuko(イズコ)」により、対象エリアの交通機関の検索・予約・決済が可能に。点在する伊豆エリアの観光拠点間のシームレスな移動実現による周遊促進と地域活性化、IoT活用による交通・観光事業などの最適化、キャッシュレスや多言語対応といった観光拠点の抱える課題解決などが見込まれ、以上の効果による新たな顧客体験価値の提供も期待されている。

「Izuko」の検索機能は伊豆急行線全線(伊東~伊豆急下田間)と伊豆箱根鉄道駿豆線全線(三島~修善寺間)、展開エリア内を運行する路線バス(伊豆箱根バス・東海バス)を対象とし、予約機能はAIオンデマンド乗合交通のほか、リンク連携によってレンタサイクルとレンタカーにも対応する。

  • デジタルフリーパスの有効区間

決済機能では、「デジタルフリーパス・Izukoイースト」「デジタルフリーパス・Izukoワイド」(どちらも有効期間2日間)という2種類のデジタルフリーパスに対応。「Izukoイースト」は伊豆急線全線と伊東市内および伊豆急下田駅周辺の路線バスが乗り放題で3,700円、「Izukoワイド」は伊豆箱根鉄道駿豆線全線と修善寺駅および伊豆急下田駅周辺の路線バスなどの乗り放題と、東海バス(修善寺~河津間)・伊豆急行線(河津~伊豆急下田駅~伊東駅間)の片道乗車区間が利用できて4,300円。小室山観光リフト・下田港内めぐり・下田海中水族館など5施設の観光施設決済も行える予定としている。

他にも飲食施設や携帯充電箇所などを多言語案内するデジタルマップ機能を搭載し、画面提示で約30施設の観光施設割引を受けることもできる。実証実験の実施期間は、「Phase1」が4月1日から6月30日まで(「静岡デスティネーションキャンペーン」と同期間)、「Phase2」が9月1日から11月30日までとされている。