名古屋みやげといえば、ういろう、きしめん、味噌煮込みうどん、天むす、名古屋めしフレーバーのスナックなど多種多彩。旅行者にとって便利なのはアクセスしやすく種類も豊富なキヨスクだが、キヨスクには置いていない魅力的な名古屋みやげだってもちろんたくさんある。

今回は筆者がお薦めする知る人ぞ知る名古屋みやげを紹介しよう。

  • 「ひとくち生ういろう」

    「ひとくち生ういろう」はKITTE名古屋の青柳総本家と名古屋市守山区の直営店舗のみで販売。1個130円~でお好みをチョイスできる箱入り(4・8・12個)にもできる

「青柳総本家」のひとくち生ういろう

名古屋名物・ういろうの代名詞、青柳ういろう。もちろんキヨスクの大定番商品だが、実は名古屋駅からすぐのKITTE名古屋の直営店で、キヨスクにはない商品を購入できる。職人が手作りで仕上げる生ういろうがそれ。

もっちりした食感と確かな米粉の香りは、ひと味もふた味も違うプレミアムな味わい。レギュラーの和三盆(白)や宇治しぐれ、さくらなどの他に季節限定ものもあり、ひとくちタイプと棹タイプがある。賞味期限はその日限りだが、ういろうを食べ慣れている人ほど驚く逸品は、和菓子好きの友人知人に喜ばれること請け合いだ。

  • 青柳総本家 KITTE名古屋店

    青柳総本家 KITTE名古屋店

●Information
青柳総本家 KITTE名古屋店
住所: 名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋1階
営業時間: 10時~21時(土日祝は20時まで)
定休日: 1月1日
アクセス: JR名古屋駅より徒歩3分

「コメダ珈琲店」のやわらかシロコッペ

今や全国に770店舗以上を展開する名古屋発喫茶「コメダ珈琲店」。大人気スイーツ、シロノワールのデニッシュをはじめパンはすべて自家製。そんなオリジナルのパンの魅力をもっと知ってもらおうと開発されたのが「コメダ謹製 やわらかシロコッペ」だ。

2017年春、名鉄百貨店本店にて約1カ月の期間限定で販売したところ好評を博し、9月1日から東京、9月27日から再び名鉄百貨店本店、さらに11月17日からは大阪市・天王寺ミオで復活販売することとなった。

  • 「コメダ謹製 やわらかシロコッペ」

    「コメダ謹製 やわらかシロコッペ」。小倉マーガリン250円、ポークたまご390円など。賞味期限はその日限り

白っぽいコッペパンはしっとりしつつもほわっと軽やかな口あたり。コメダお得意の小倉あんをたっぷりはさんだ小倉マーガリンなどのおやつ系や、食べ応えがあるポークたまごなどのおかず系、さらにジャムをはさんだ季節ものなど約20種類を取りそろえる。

全国どこにでもあるコメダだが、このやわらかシロコッペが買えるのは名古屋駅の名鉄百貨店と東京ソラマチ、それに天王寺ミオのみ。コメダの喫茶店でも食べられないのだ。東京ソラマチでの販売は2018年1月8日まで、天王寺ミオでは同1月31日までの限定販売なので、今後も継続的に購入できるのは名鉄百貨店のみとなる(販売期間はいずれも予定)。

超ポピュラーなコメダの地域限定のレア商品だけに、同僚や家族への手軽なおみやげにすれば土産話にも花が咲きそうだ。

●Information
鐵板堂「コメダ謹製やわらかシロコッペ」
住所: 名古屋市中村区名駅1-2-1 名鉄百貨店本店本館地下1階
営業時間: 10時~20時
定休日: 不定休(名鉄百貨店本店の定休日に準ずる)
アクセス: 名鉄名古屋駅よりすぐ

「花誠」のがく味噌

ごはんのお供としてぜひお持ち帰りいただきたいのが、赤味噌の魅力を堪能できる絶品・おかず味噌「がく味噌」。岡崎の老舗・まるやの八丁味噌をはじめとする愛知県産の赤味噌をベースに、国産のニラ、ごま油、昆布粉末、そしてひき肉ではなくソイミート(大豆で作った肉風食品)を使用している。

一見辛そうだがまろやかなコクがあり、ほかほかのご飯にのせて良し、ちびちびつまんで日本酒の肴にまた良し。これさえあれば食卓が豊かになる頼もしい一品だ。

  • 「がく味噌」

    「がく味噌」410g入り1600円。190g入りの小瓶は1200円。販売は「花誠」の他はJR名古屋タカシマヤ地下2階「やよい」(やよいは小瓶のみ)。通販あり

製造販売するのは地下鉄本山駅近くで鯖ずし・おはぎ・味噌を販売している「花誠」。「家族のために作っていたものを、他の方にも食べていただければと思って始めたんです」という女将さんの言葉通り、体にいい材料を使った手作りの味には、じんわり心にしみる優しさや包容力が感じられる。

中でもがく味噌は、実は名古屋では今や知らない人はいない人気者である息子さんが開発したもの。店のHPに載っている写真を見ればファンならすぐに分かるので、歴女の人たちにもお薦めしたい。

●Information
花誠
住所: 名古屋市千種区猫洞通5-13 若山ビル1F
営業時間: 11:00~17:00
定休日: 月曜日
アクセス: 地下鉄「本山」駅1番出口徒歩1分

「名古屋おみやげプロジェクト」の手延べきしめん&ナゴヤコーヒー

名古屋の伝統文化などに親しむ秋の恒例イベント「やっとかめ文化祭」(2017年は10月28日~11月19日)。その一環として、「名古屋で古くから培われた良い文化を新しいお土産にする」ことを目的とした「名古屋おみやげプロジェクト」がスタートしている。

第1弾商品として発売された「手延べきしめん」は、愛知県安城市・みやこ製麺が製造したもので、きしめんならではのつるつるした小気味よいのどごし、薄いのに弾力のある食感が楽しめる。

  • 「手延べきしめん」(650円)、「ナゴヤコーヒー」(800円)。

    「手延べきしめん」(650円)、「ナゴヤコーヒー」(800円)。販売は名古屋テレビ塔、喫茶神戸館、西アサヒ、early birds breakfast、kakuouzan larderなど

また「ナゴヤコーヒー」は名古屋の老舗喫茶らしい苦みとコクのあるコーヒーを、「喫茶神戸館」(名古屋市中区)を運営するBEANS BITOUが豆のセレクトから焙煎まで一から作り上げた。名古屋の喫茶店に欠かせない、ピーナッツと柿の種を小袋につめた"おつまみ"がついているのもオツな計らい。コーヒーの味だけでなく、名古屋の喫茶店の空気感をパッケージングしてある粋なおみやげだ。

いずれの商品も、こだわりが詰まった逸品ばかり。たまにはテッパンから離れて、大切な人を楽しませるおみやげを選んでみてはいかがだろうか。

※価格は税込

筆者プロフィール: 大竹敏之(おおたけとしゆき)

名古屋在住のフリーライター。雑誌、新聞、Webなど幅広い媒体で名古屋情報を発信する。名古屋メシ関連の著作を数多く出版。著書に『名古屋の喫茶店』『名古屋の居酒屋』『名古屋メン』『名古屋めし』(リベラル社)、『名古屋の商店街』(PHP研究所)、『東海の和菓子名店』(ぴあ中部支局/共著: 森崎美穂子)などがある。Webガイドサイト「オールアバウト」名古屋ガイド。愛知県や名古屋市などの協同プロジェクト、なごやめし普及促進協議会ではアドバイザーを務める。