2018年は首都圏でも大雪が記録されました。大雪に悩まされ、うんざりした人も多かったのではないでしょうか。雪に慣れていない地域では、雪道で転倒し、けがをする人も続出します。
転びにくい雪道の歩き方を知りたい! それには、雪国の人にコツを伝授してもらうのが一番。
そこで、北海道札幌市を拠点に活動している「ウインターライフ推進協議会」さんに転びにくい雪道の歩き方のコツを教えてもらい、実践してみます。
雪道を歩いてみよう
実際に雪の上を歩いてみるために、東京都八王子市にある「東京あそびマーレ スノータウン」にやってきました。
スノータウンでは、最新技術により、体感温度約18~20度という快適な空間で、雪遊びやそり滑りなどを365日楽しむことができます。
滑り止めのあるビジネスシューズで体験
ビジネスシーンを想定し、靴裏に浅い滑り止めのあるビジネスシューズを履いて体験します。この靴で、雪道を安全に歩くことは難しいでしょうか?
人工雪は首都圏の雪に似たザラメ状
人工雪を手に取り、水分を多く含んだ、ザラメ状の雪であることを確認。ザラメ雪は日中に溶けて日没後に再び凍り、大きな粒子になる首都圏の雪に似ています。
普段の歩き方で歩く
まず、雪の上を普段の歩き方で歩いてみました。かかとから雪に着地し、親指の付け根に向かって重心移動する通常の歩き方ですが、着地時から重心移動しているときに靴裏が滑りやすい不安定な状態になり、危うく転びそうになりました。
普段の歩き方の動画
転びにくい歩き方は?
それでは、雪道で転びにくい歩き方はどうすればよいのでしょう。ウインターライフ推進協議会さんが監修された「札幌冬みちガイド」と、担当者さんのコメントを参考に実践します。
小さな歩幅で歩く
歩幅が大きいと足を高く上げなければなりません。そうすると、重心移動(体の揺れ)が大きくなり、転倒しやすくなります。
雪道では、基本的に小さな歩幅で歩きましょう。左右の幅については適度に離れている(20センチ前後)ほうが良いそうです。
小さな歩幅での動画
靴の裏全体をつけて歩く
重心を前におき、できるだけ足の裏全体を路面につける気持ちで歩きましょう。 道路の表面が氷状で非常に滑りやすい「つるつる路面」では(1)小さな歩幅で、(2)足の裏全体をつけて歩く「すり足」のような歩き方が有効です。
小さな歩幅で「すり足」で歩くと、バランスを崩しやすい片足で立っている時間が短くなり、重心移動(体の揺れ)も小さくなります。また、激しい転倒につながりやすい、かかとからの着地を防ぐことができます。
ただし「すり足」といっても、完全に地面を擦りながら歩いていると、つまずき転倒の原因にもなるので、軽く足を浮かせて歩きましょう。
道路の表面に雪の残っているところでは、「すり足」では歩きづらいこともあります。その場合は、足裏の平らにして、足の裏全体を路面につけ、小さな歩幅でそろそろと歩きましょう。
急がずに焦らずに、ゆっくり、しっかり
歩き方を理解したつもりでも、急いでいる時は忘れがちになります。降雪時は移動に時間がかかるので「余裕をもって」行動し、「急がず、焦らず」、ゆっくり、足の裏全体を路面につけて、しっかり歩くことが大事です。
「余裕をもって歩く」ことで、しっかりと「滑りそうな道」を見分けながら歩くことができます。
ゆっくり歩く動画
雪の日対策アイテムも有効
北海道では、滑りにくい「冬靴」があります。しかし、関東在住の場合、そこまで備えるのも大変です。
そこで普段のビジネスシューズで使える、「滑り止め」も紹介したいと思います(取材協力: 「東急ハンズ渋谷店」)。
●コロンブス ハンディユキダスタウン 男女兼用フリー(税込1,058円)
・耐久性の高いゴム製のバンドをつま先とかかとに引っ掛ける構造
・合成樹脂(スチレン系エラストマー)でできた靴底の凹凸のトレッドパターンが、雪や氷をしっかりとらえ歩行を補助
●ノンスリップ スノーグラーバーM23.5~26cm(税込1,080円)
・脱着も簡単で靴に装着しても違和感が少なく、安定感もよいスパイクソール
・歩行中は6本の金属スパイクが氷上をしっかりと捕らえ、歩きやすい
・耐久温度は-40度
●山田 コロバンド L(税込1,836円)
・蹴り出しまで安心設計
・新開発のスパイクピンが路面をガッチリとらえる
サラリーマンは健康が第一。雪道での転びにくい歩き方をマスターして、雪の日も安全に通勤したいですね。
監修協力
ウインターライフ推進協議会
札幌市を拠点とし、積雪寒冷地における冬を安全・安心・快適に過ごすとともに、冬を楽しむための環境づくりを通じて、地域社会へ貢献することを目的としています。
活動内容は、「雪みちでの転倒防止活動等に関する普及啓発および調査研究」「冬を快適に過ごすための普及啓発および調査研究」「その他、協議会の目的を達成するために必要な活動」。