アニソンシンガー・亜咲花のライブ「亜咲花 19th Birthday LIVE ~Make It Happen LTB~」が10月19日、東京・渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて開催された。タイトル通り、亜咲花の「Last Teen Birthday=LTB」を記念して開催されたこのライブは、チケット完売・当日券なしの満員御礼のものに。ゲストに声優ユニット・Run Girls, Run!を迎え、コラボやカバーも含めて大盛況のライブとなった。
▼冒頭5曲とは思えないアツさで、かっ飛ばしていく亜咲花の凄さ
OPSEが流れるなか、亜咲花がステージに登場。そのセンターに立ち、「Eternal Star」からライブが始まった。即座にフロアが青に染まるなか、1曲目から笑顔で堂々としたステージングを見せ、歌声も伸びやかかつ力強い。中音域の細かいビブラートも相変わらず絶品なうえに、Dメロの突き抜けるようなボーカルはこの曲に合わせた衣装にも合う爽快さを持つものだ。
それに続けたのはハッピーに盛り上がれるナンバー「Never ending true stories」。上手/下手の端までの移動を挟んでの歌唱で、ポップよりのナンバーに乗せてフロア全体を楽しそうに踊らせていく。また、Dメロを歌い上げながらも、サウンドのブレイクを活かすために音にピッタリのタイミングでロングトーンをスパッと切ったりと、細部に至るまで巧みさも張り巡らされていた。
一方、温かなミドルナンバー「キミと始まる物語」では、その歌声に込めた大きな愛で会場を包み込んでいく。しかもただその想いを一方的に届けるだけではなく、2コーラス目に入ってからはフロアの反応に合わせて手を振り返したりと、彼女の“届ける力”の大きさを早くも感じさせられる瞬間があった。
曲明け、まずは無事19歳の誕生日を迎えた報告と感謝の言葉を述べる亜咲花。ステージ上を駆け回りながら、フロアにマイクを向けて「おめでとう」の言葉を拾い集めていく。そして19歳でやりたいことや18歳でやり残したことなどについてのトークを展開すると、「今日しか見れないんだろうな、この景色」とファンにペンライトを振ってもらい、オンリーワンの光り輝く光景を堪能。
そして「次は最高にブチ上がりソングです!」と予告して歌いだしたのは、未音源化かつ二度目の披露となった「valkyrie PARTY」。逆光の中のアカペラからスタートすると、シャウトに続いてフロアは一気に紅に染まる。亜咲花のボーカルはとにかく緩急自在のもので、煽りも合わせてフロアのボルテージをガンガン高めていく。なかでも落ちサビから大サビに向けてどんどんさらに荒々しさを上乗せしてくる点には、本当に恐れ入った。
さらにその空気の中、「Unfulfilled Butterfly」のイントロで「渋谷かかってこいよ!」とシャウト。それに呼応したフロアからは、サビでは大きなコールが上がる。そんなフロアとガチンコでぶつかっているのに、その表情は必死さのない楽しそうなもの。そういった部分から、やはり彼女は“強い”シンガーだと感じ取ることができる。こうしてライブ前半のクライマックスを迎えたduo。その最高潮のラインをさらに引き上げようと、髪を振り乱しながらオーディエンスを煽りまくり、亜咲花はこの曲を歌いきった。
▼結成!? 新ユニット・Run Girls, ASAKA!
ここで亜咲花は一旦降壇。替わってゲスト・Run Girls, Run!(以下・ランガ)のステージが幕を開ける。まず「キラッとスタート」のイントロとともに、フロアの輝きは一気にグループのイメージカラー・ピンクに。林鼓子の伸びやかなボーカルや厚木那奈美のメリハリの付いたダンスの切れ味など、それぞれの特色はこの日も健在だったのだが、なかでもリーダー・森嶋優花のパフォーマンスが、思い切り元気いっぱいさの中に楽曲に合わせた表情での表現力がUPしたものになっており、見るものを飽きさせない。また、厚木のダンスはメリハリのみならず、最終盤の脚の蹴り上げの驚くような高さでも、グッと目を引いた。
曲明けのMCでは、いつものようにそれぞれの固有の挨拶を観客とともに行いつつ、それぞれの亜咲花との縁について語っていくと、そのまま1stシングル「スライドライド」の披露へ。疾走感ある力強いナンバーを、ダンスの面から引き続き色濃く表現したのは厚木。林も伸びやかさと力強さをあわせ持った歌声で楽曲を表現する。また、森嶋のパフォーマンス中の表情の豊かさは変わらず、そこに余裕さえも感じられるものに。そして、これらの個性が束ねられるのがDメロ。次々追いかけ合う主旋律の歌声を美しく絡み合わせてから、大サビで再度エネルギーを大爆発させてくれた。
曲明け、リリースを目前に控えていた新曲「Go! Up! スターダム!」を満を持して披露。頭サビ、持ち前の伸びやかさはそのままに、そこにかわいげをプラスする印象的な林のボーカルから幕を開けるきらめき感じるポップナンバーは、実はダンスの面にテクニカルな部分も満載。だがその象徴的な部分であるBメロの細かい脚の動きも、3人しっかりリンクさせていた。森嶋は2-Bメロのソロをファンサービスにうまく使い、厚木の動きもそのBメロを中心に全体を通して軽快。そしてDメロでのフォーメーションやラストのロングトーンの切りどころと指切りのタイミングなどからは、改めて3人のチームワークの良さが感じ取れた。
と、ここで衣装替えを終えた亜咲花がステージに。3人の衣装との偶然の色被りに喜ぶと、「ランガちゃんの全力感が大好き!」と愛を口に。ゲストを呼ぶとなったときにも即答で名前を上げた、と愛を隠さない。さらに普段“もっちー”と呼ばれることの多い森嶋を“ゆうちゃん”と呼ぶところからもその仲の良さを感じさせると、3人に混じって「私たち、Run Girls, Asaka!です!」と挨拶。「ユニット組もう!」と盛り上がり、厚木も「どなたか楽曲くださー!!」とおねだりしていた。
すると不意にバンドメンバーが「HAPPY BIRTHDAY」を生演奏しファンと大合唱。不意にステージ袖に引っ込んでいた森嶋が「19」と描いてあるケーキをステージに持ってきて、亜咲花のジャンプエンドで曲が締めくくられる。そのケーキのほか、ランガの3人から亜咲花へは大好きなジェラートピケのパジャマとできたばかりの「Go! Up! スターダム」のCDが贈られた。
さて、せっかく名乗ったからにはRun Girls, ASAKA!として歌わないわけにはいかない。というわけでここで、2組の接近のきっかけとなった楽曲をコラボ。それは、森嶋がブログで「大好き!」と書いていた、「Edelweiss」だ。1-Aメロ、森嶋がソロで歌唱中に亜咲花とわちゃわちゃしたりととにかくステージ上で4人が楽しそうにしながらも、それでいて誰も手を抜かない本気のステージを展開。1サビは林が主線を歌い亜咲花が上ハモを取るなど、美しくハーモニーを響かせる場面もありつつ、Dメロはファンも巻き込んだ大合唱に。大サビも会場一体となって歌唱し、コラボステージは大団円を迎えたのだった。