ねんきんネットを利用したことはありますか? ねんきんネットは日本年金機構が提供する無料のWebサービスです。今回はねんきんネットについて解説します。

  • ねんきんネットの使い方を理解していますか?

ねんきんネットとは何か

ねんきんネットは、自らインターネットを通じて自身の年金に関する様々な情報を手軽に確認できるサービスです。ねんきんネットの特徴は5つあります。

1 24時間いつでも、最新の年金記録を確認できる
2 自分で簡単に年金見込み額を試算できる
3 スマートフォンで利用できる
4 電子版ねんきん定期便を確認できる
5 年金の支払いに関する通知書の閲覧等のサービスを利用できる

インターネットで自分の年金情報をいつでも閲覧できるという利便性は、今まで年金というものに興味のなかった世代の方達にも、年金に興味をもつキッカケを与え、年金制度の仕組みを理解することで、納付意識を高めることができるのではないでしょうか。

ねんきんネットはどうしたら使えるようになるか

ねんきんネットは、基礎年金番号をお持ちの方で、昭和61年4月1日前に年金受給権が発生した老齢年金を受けている方以外の方が、利用することができます。

ねんきんネットを利用するには、ご利用登録をする必要があります。登録には、基礎年金番号及びメールアドレスが必要となります。

またアクセスキーも必要となってきますので、ねんきん定期便などを確認してみましょう。

アクセスキーがない方は、ユーザーID発行申し込みを行い日本年金機構からユーザーIDが記載されたハガキが届くのを待ちましょう。申し込み後5日程度で郵送されるようです。

  • ねんきん定期便

ねんきんネットではどのような情報が確認できるか

ねんきんネットでは以下の情報を確認・利用できます

1 自分が将来受け取る年金見込み額
2 自分の年金記録
3 追納等可能月数と金額
4 電子版ねんきん定期便の利用
5 年金支払い通知書
6 通知書再交付申請サービスの利用等

年金見込み額の確認

年金見込み額の確認では自分で試算条件を設定して、将来受け取る老齢年金の見込み額を試算することができます。このサービスは、国民年金、厚生年金保険、船員保険のいずれかに加入中または加入していた方、70歳未満の方が利用することができます。

年金見込み額の試算方法には、a.かんたん試算、b.質問形式で試算、c.詳細な条件で試算等の設定を選択することができます。bやcの方法は、多少詳細な設定を要するので、とりあえずはaの方法を試してみるのもよいかもしれません。

年金記録の確認

自分の年金記録の確認は、自分のパソコンやスマートフォンから、24時間いつでも年金記録を確認することができます。これにより、年金の漏れや誤りの確認にも役立てることができます。

時間のない方には非常に重宝するサービスではないでしょうか。

追納等可能月数と金額の確認

国民年金保険料の未納や免除等について月数や金額の確認をすることができます。

電子版ねんきん定期便の利用

日本年金機構が郵送しているハガキ版のねんきん定期便を電子版で確認することができます。ダウンロードもできるので管理、保存することが可能で便利です。

年金支払い通知書の確認

年金支払いに関する通知書の確認は、年金受給者に郵送されている年金振込通知書等の各種通知書を自宅のパソコンで閲覧、保存、印刷することができます。

通知書再交付申請サービスの利用等

インターネット上でいつでも通知書再交付申請のサービスを利用することができます。再交付された通知書は、ねんきんネットの登録住所に郵送されます。

対象となる再交付申請が可能となる通知書とは、「社会保険料控除証明書、公的年金等の源泉徴収票、年金額改定通知書、年金振込通知書、年金決定通知書・支給額変更通知書」があります。

みなさんもご自分で色々とねんきんネットの機能を試してみましょう。

ねんきんネットで確認できる情報をどのように活用したらいいか

ねんきんネットでは、インターネットで情報を確認することができることから時間に縛られることなく、いつでも自分の目で年金記録の漏れや誤りの確認ができるというメリットがあります。

日本年金機構では、2018年11月5日にねんきんネットとマイナポータルがつながったと公表しています。これにより、今後はマイナポータルからもねんきんネットにアクセスできるようになりました。

マイナンバーカードでマイナポータルにログインすれば、ねんきんネットのユーザーIDを未取得又は取得済みどちらの場合であっても、ねんきんネットにはログインできるようです。

なお、ねんきんネットとマイナポータルとの初回接続の際には、基礎年金番号の入力が必要な場合があるとのことです。

年金事務所や街角の年金相談センター等では受付時間や待ち時間等の制限があり、日中に仕事をしている人には、直接話を聞くために相談センター等に出向くことは難しいと思います。

インターネット上でねんきんネット等によりサービスを利用できるということは、多忙な方にとっては非常にありがたい機能なのではないでしょうか。

また、自分の年金を自己管理するということは個人の納付意識を高めることにつながり、老後資金の計画が立てやすくなるのではないかと思います。

著者プロフィール

塚本泰久
ツカモト労務管理事務所 代表社会保険労務士・FP。
関西地区を中心に、地域に密着した事務所を目指しています。会計事務所出身であるという視点から、企業の宝である人財と企業会計のバランスに重点を置くことで、より強い企業の体制作りをサポートしています。「ツカモト労務管理事務所