エン・ジャパンは11月14日、「同一労働同一賃金」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は9月27日~10月29日、同社運営のサイト「エン派遣」を利用している派遣社員316名を対象に、インターネットで行われた。
「同一労働同一賃金」の認知度を調べたところ、「言葉は聞いたことがあるが意味はよく知らない」(40%)、「知らない」(38%)が約8割を占めた。
「同一労働同一賃金」については、先日の国会で成立した働き方改革関連法の一環で『正規雇用と非正規雇用の間の不合理な待遇差を解消することを目的に、賃金(基本給)の他にも、賞与や研修制度などの待遇差の解消も目指す』とされているが、この考え方についてどう思うか尋ねたところ、74%が「良いと思う」と回答。
理由としては、「業務内容が同じなのにも関わらず待遇に差が出ることは前々から不満に感じていた点だったので、解消されれば嬉しい」(27歳女性)、「正社員と同じか、それ以上の仕事量をしているのに、給与や賞与で待遇に差が出るのはおかしい。解消されれば仕事へのモチベーションも上がると思う」(32歳女性)など、現状の不平等感を訴える声が多くあがった。
「同一労働同一賃金」について、「大手企業は2020年4月から、中小企業は2021年4月から導入される」ことが国会で決まったことを受けて、「同一労働同一賃金」の導入が進むことで期待することを聞いたところ、「賞与の支給」(80%)が最多に。次いで「給与アップ」「交通費の支給」(ともに71%)が続いた。
続いて、「賃金の差について、仕事上のどのような差なら納得できますか?」と尋ねたところ、「仕事への責任の重さ」(69%)、「役職の有無」(67%)、「資格やスキルの有無」(60%)が上位に。
また、「同一労働同一賃金」について不安なことや気になることを聞くと、「非正規社員の給与を上げるにあたり、正社員の賃金が下がったり、待遇が悪くなったりしてしまうのではないか」(25歳男性)、「正社員にばかり責任ある仕事のしわ寄せがくるのではないか。社員になる必要がないという考え方の人が増え、派遣やバイトといった雇用形態を選ぶ方が増えたら、正社員1人当たりへのしわ寄せが、さらに大きくなるのではないかなと思います」(26歳女性)、「現状でも、労働法や派遣法が守られていないと感じている。果たして本当に実現できるのか、疑問」(39歳男性)といったコメントが寄せられた。