楽天が運営する楽天市場がこのほど、「楽天市場 鍋のトレンド発表会2018」を開催した。冬の代名詞ともいえる「鍋」。豊富なダシと具材の組み合わせは無限大で、毎年新たな鍋との出会いを心待ちにしている人も多いだろう。今回、鍋商品約2,500点(2018年10月時点)を扱う楽天市場から、厳選された全6種類のトレンド鍋を実食してきたので、その詳細をお届けしよう。
朝、満員電車がもれなく待っている駅へ向かう道も、冬の風で寒さが身にしみるようになった今日このごろ。すし詰め状態の電車に揺られ、仕事の忙しさに、ゆっくりランチタイムとはいかず、栄養補給という名の片手間の軽食で済ませる。そんなビジネスパーソンも少ないはず。筆者も例に漏れずそんな日々を送っているが「温かいものが食べたいな…」と冷めた体と心が欲している。そんな中、飛び込んできた今回の発表会。最近の鍋は、趣向を凝らした具材やダシの良さはもちろんのこと、「撮る」楽しさもトレンドだという。
キーワードは「刺激系」「マー活」
楽天のマーケットプレイス事業 ECコンサルティング部 フード&ドリンク事業課の小野由衣シニアマネージャーによると昨冬(2017年11月~2018年2月)、「楽天市場」で売れた鍋ジャンルは、1位「もつ鍋」、次いで「水炊き」「きりたんぽ鍋」。そして、今年急上昇している鍋関連のキーワードは「刺激系」「韓国系」「豆乳」「本格鍋」だという。
「刺激系」は、最近流行の「マー活」を取り入れた鍋を指す。ちなみに「マ-活」とは、花椒(中国山椒)をたっぷり使った、舌や唇がビリビリとシビれる料理を好んで積極的に食べることを意味する。中華の四川料理では、花椒(麻=マー)と唐辛子(辣=ラー)を使った激辛料理を麻辣(マーラー)と呼ぶことに由来しており、2018年に日本では、女性を中心にインスタグラムで「#マー活」とシュアすることが流行しているとのこと。
「韓国系」「豆乳系」の根強い人気は健在である一方、注目すべきは調理器具としての「鍋」そのものを本格化させたエンターテインメント性が高い「本格鍋」。自宅で屋台のようにおでんを味わえたり、自宅で焼き鳥屋気分を満喫できたりと、調理自体を楽しませる工夫が人気につながっているようだ。
「ムービージェニック」な鍋とは?
同社が発表した2018年の鍋トレンドは、もはやグルメの定番となった「インスタ映え」、忙しい現代人にニーズに沿った「時短鍋」や、調理の手軽さから気軽にできる「一人鍋」など、どれも私達の生活と深く関連付けられていて納得の結果だといえる。その中で、特に筆者の目にとまったワードが「ムービージェニック」、いわゆる「動画映え」だ。昨年から少しずつ耳にするようになり、個人的には主にスイーツのイメージが強かったのだが、「鍋を動画で撮影する時代が来るとは……」が率直な感想で「レンズが曇らないのかな?」と疑問を持ってしまった。
ムービージェニックにチャレンジ
さっそく、映像が綺麗だと名高い自前の「iPhone Xs」を片手に動画撮影にチャレンジ。隣ではテレビ局のクルーが、照明を使って「影が湯気だ」と、さすがプロといえる連係プレーで撮影を行っていたが、こちらは相棒の性能頼み。
撮影に挑戦した鍋は「楽天市場」と「大阪王将 公式通販(餃子・焼飯)」が共同開発した「マグ麻辣(マーラー)水餃子鍋」(税込4,280円)。同社いわく「好みのチーズを足してお召し上がりいただくことで、 チーズのとろける様子を動画に収めてSNSに投稿するなど、 『ムービージェニック』にお楽しみいただけます」とのこと。
撮影時間は約2分。あくまで食べることがメインで、撮るのに夢中になりすぎて、美味しい鍋が冷めてしまっては本末転倒だ。真上から撮ろうか、横から撮ろうか、チーズの伸びるところをどれくらい近くで撮ろうか…と試行錯誤する時間が意外と楽しい。そして相棒の画質の良さに感動し、「プチディレクター気分」で撮影し終わると、まだ食べていないのに「自分が美味しそうに撮ったものが美味しくないはずが無い」とすでに愛着が湧いてくる。なるほど「ムービージェニック」は、なかなか侮れない。
動画編集に少し心得がある筆者が、30分程度で作成したが、実際には鍋の映像だけなら5分とかからず思い出の映像が作れるだろう。「インスタ映え」が流行った時も感じたが、食べる前のワクワク感を高めてくれるのは手段の一つ。動画の方がより撮影するこだわりが増えるためか、ワクワク感は動画の方が高いように感じた。ようやく高められた食欲と期待を鍋にぶつけられる。