近畿日本鉄道は25日、運輸事業の安全に関する優良な取組みを行った事業者として「国土交通大臣表彰」を受けると発表した。2008年3月から導入している「運転士支援システム」の開発・導入による乗務員の運転リスク低減、同システムの他事業者への展開に関する功績が評価されたもので、鉄道事業者として全国初の表彰となる。

  • 近鉄が開発・導入した「運転士支援システム」

「運転士支援システム」はGPSを利用して列車の位置特定を行い、その位置情報により音声・発光表示等の方法で運転士に対する運転支援(列車種別確認、編成両数確認、停止位置確認等の注意喚起)を行うもので、近鉄車両エンジニアリングと共同開発したシステムとなる。

津波浸水区域や徐行区間走行に対する注意喚起も行うほか、通信機能を活用して事故現場等の画像を伝送する機能もある。タブレット程度の大きさの端末装置を運転士が携帯し、担当する列車の運転席に着脱して使用する。

今回の表彰に関して、乗務員の運転リスク低減のためにGPSを利用した運転士支援システムを開発・導入し、他社にも展開するなど新技術を活用した安全対策を推進したことで、輸送の安全性向上に積極的に貢献した功績が評価されたという。