その2:家計簿やお金の流れを「見える化」

二つ目は、「お金の流れが分からないと興味が持てない」という夫の意見から、家計簿を紙からアプリに変え、夫婦がともに、いつでも家計の状況を把握できるようにしたことです。

紙の家計簿を使っていた時は、私だけが記録し、記録しただけで終わっていたため、結果的に食費はどのくらいだったのか? 日用品はどのくらいだったのか? などを把握できず、メリハリをつけることが難しい状況でした。

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今振り返れば、家計簿をつけることだけが目的となっており、その結果をどのように活かすのか、という視点が全くありませんでした。一生懸命つけている行為だけを夫に主張し、夫も同じように記録しないことに不満を述べ、逆に夫には家計簿をつける意味が分からないと言われて平行線……。

しかしアプリを利用して、収入、支出の総額、各支出項目の状況がリアルタイムで把握できるようになったため、「今月は食費が少なめだから、外食で少し豪華にしようか」とか、「今月は旅行に行く予定なので、日常の支出は少し控えめにしよう」と話ができるようになりました。また、夢の実現のために、毎月の貯蓄額も決め、それを実現するために、大まかな予算も決めています。

その3:プライベートなお金の使い方には口を出さない

我が家は夫婦別財布で、家計には夫と私が同額を負担する、という形をとっています。つまり、月収から家計負担額を除いた残額が、個々人のお小遣いです。洋服代、携帯代、趣味のお金、昼食代など自分の意思で購入するものはお小遣いの範囲内で行っています。

個々人のお小遣いについては、夫も私も、相手の使い方に口を挟みません。理由としては、自由がないと苦しくなり、働くモチベーションや家族に対する気持ちにも影響が出ると思っているからです。多少の金銭の自由があることで、心の余裕も生まれて、家族円満に過ごせていると思っています。

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    家計簿はアプリで「見える化」、自由支出にお互い口を出さない

その4:家事分担を収入額で決めない

我が家の家事分担は、就業時間に応じて臨機応変に決めてきました。子どもが生まれる前は、早く帰ってきた方が夕食を作り、最後にお風呂に入った人が洗濯機をまわす。

子どもが生まれてからは、私は残業しない就業形態に変更したため、平日の家事はほとんど私が担当。たとえば、朝ご飯の準備、子どもの送り迎え、夕飯の支度、お風呂、寝かしつけ、洗濯は私が、お風呂掃除と、子どもを起こすことは夫が担当。基本的にはこの形ですが、夫が早く帰ってきた時には、子どものお風呂、寝かしつけ、洗濯などをやってくれます。また、休日は食事を作ってくれたり、掃除をしてくれたりしてします。

夫婦円満にお金の管理をしたいなら

収入格差婚をテーマにこのコラムを執筆しましたが、収入格差があろうとなかろうと、結婚は人と人とが結びついて、一緒に家庭を創っていくことだと思います。このため、相手をリスペクトし、お互いに思いやりを忘れなければ、家庭円満でいることができ、お金も貯めることはできます。そのためには、何よりも共通の夢を持つことが大事だと思います。ぜひやってみてくださいね。

筆者プロフィール: 山田琴江

高校3年の時に父親を癌でなくし、お金について考え、進学先や将来の方向性を決める。奨学金をもらいながら大学に進学し、大学主催の資格取得講座のみで大学在籍中に公認会計士試験に合格。親の経済力を理由に夢を諦める子供たちを少なくしたいという想いで、ファイナンシャルプランナーとしての活動を行っている。その人の価値観に沿ったマネープランの作成、アドバイス、伴走を得意とする。
自身のホームページ 「FPみらいえ」
公認会計士、AFP、ライフオーガナイザー、マイライフエフピー認定ライター