JR西日本と京都市は20日、JR嵯峨野線(山陰本線)京都~丹波口間に設置する新駅について、駅名を「梅小路京都西(うめこうじきょうとにし)」に決定したと発表した。京都鉄道博物館や梅小路公園の最寄り駅となる同駅は2019年春の開業を予定している。

  • JR嵯峨野線(山陰本線)新駅「梅小路京都西駅」イメージパース

新駅の所在地は京都市下京区観喜寺町。京都駅から約1.7km、丹波口駅から約0.8kmの距離にあり、京都鉄道博物館・梅小路公園の北側、七条通上に位置する高架駅となる。相対式ホーム(延長165m、幅3.0~6.7m)に可動式ホーム柵と旅客上屋、エレベーター2基・エスカレーター4基を設置。ホーム上の安全設備として非常ボタンやホーム監視カメラも備える。駅舎は高架下にあり、自動改札4通路、券売機2台、みどりの券売機1台を設置する。

駅名の決定理由に関して、梅小路公園が周辺地域を象徴する存在となっており、京都市による駅名公募結果も「梅小路」がキーワードとして最多数であったと説明。あわせて「京都駅の西側約1.7kmに位置し、京都観光の新たなサブゲートとなることから『京都』『西』を付与した」としている。

駅舎は「梅小路公園及び京都駅西部エリアにある観光の玄関口の駅として、地域との連携を育むデザイン」を基本コンセプトに、駅側面は京都の街並みの「縦格子・縦縞」や京友禅の反物の「縦長矩形」を想起させる形態とし、駅改札口付近は工芸品などに用いられる「梅柄(光琳梅)」の形状を引用した。駅舎が梅小路公園と調和し、地域のシンボルとなるように、ホームの外壁や入口部を曲面にするとともに、京都らしい色彩計画を取り入れたデザインとなる。

  • 来年春の開業に向けて建設の進む嵯峨野線新駅(2018年4月撮影)。廃止された短絡線を活用した横断歩道橋も設置される

駅周辺施設の整備も進められる。丹波口駅からJR京都線(東海道本線)西大路駅方面への短絡線の廃線跡も活用し、新駅から七条通北側の回遊性向上を目的とした横断歩道橋を整備。雨の影響を受けずにアクセスできるように屋根付きとし、エレベーターを2基設置してバリアフリー化も図る。新駅に隣接する七条入口広場の歩行者空間を整備するとともに、新駅によって影響が生じる大型バス駐車場も効率的かつコンパクトに再整備する。