トヨタ自動車は22日、「センチュリー」をフルモデルチェンジし、全国のトヨタ店を通じて販売を開始した。
1967年、トヨタグループの創始者である豊田佐吉氏の生誕100周年を記念して発売された「センチュリー」は、誕生以来50年にわたり“日本を代表するショーファーカー”として各界のエグゼクティブから愛されている。3代目となる同車両は、“継承と進化”をテーマに21年ぶりのフルモデルチェンジを遂げた。
“華”を感じさせるエクステリアデザインは、日本の美意識に通じる静的な均整を保ちながら、後席を上座とする独自の思想を造形に表している。サイドビューは、あえて傾斜を立てた重厚なクォーターピラーにより後席の存在感を強調。伝統と品格を守り、ひと目でセンチュリーとわかる意匠に。
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ショルダー部のキャラクターラインには、平成時代の屏障具(へいしょうぐ)の柱にあしらわれた“几帳面”と呼ばれる面処理の技法を採用。端正に並んで走る2本の線を角として研ぎ出し、わずかな隙に淀みなく通した面を1本の線として際立たせている
65mm延長したホイールベースを後席スペースの拡大に充てることで、VIPをもてなす至高の室内空間もさらにアップデート。乗員の膝周りや足元に十分なゆとりを提供するだけでなく、後席のスカッフプレートとフロアの段差を従来型より15mm縮小し、乗り降りのしやすさも向上した。
パワーユニットは、V型8気筒5.0リッターハイブリッドシステムを新搭載した。ショーファーカーに求められるスムーズで余裕に満ちた走りと、高い環境性能を両立し、JC08モードでの走行燃費は13.6km/Lとなっている。また、熟練の匠が時間と手間をかけ、防音材を隙間なく組み付けるなど、徹底的な防音対策も施した。さらに、エンジン起動時の音や振動にはアクティブノイズコントロールで対応。圧倒的な静かさを実現している。
VIPを守り抜く先進の安全性能も充実。前方の車両や歩行者(昼間)を検知し、衝突回避支援または被害低減を図る「プリクラッシュセーフティ(PCS)」、車線逸脱防止支援システム「レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御機能付)」、追従ドライブ支援機能「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」、先行車や対向車に対し遮光しながらハイビームを照射する「アダプティブハイビームシステム(AHS)」を含む「Toyota Safety Sence」を新搭載した。
また、隣車線の死角を走る車両を検知する「ブラインドスポットモニター」、周辺状況を検知して駐車支援する「パーキングサポートアラート」も採用している。
価格は税込1,960万円。最先端のスタイルに左右されない特別な存在として、3代目も日本のVIPに愛される1台となることだろう。