首都圏新都市鉄道は7日、つくばエクスプレスの新型車両TX-3000系の導入について発表した。6両固定編成の交直流車両を5編成、計30両を導入し、日立製作所が製造を担当。2020年3月の運行開始を予定している。
つくばエクスプレスは秋葉原~つくば間(営業キロ58.3km)を結び、秋葉原~守谷間(直流1,500V)と守谷~つくば間(交流20,000V)で電気方式が異なる。現在は直流車両TX-1000系、交直流車両TX-2000系の2形式で運行される。
新たに導入されるTX-3000系はアルミ製車体で空気バネ式ボルスタレス台車を採用し、設計最高速度は130km/h。デザインコンセプトに「継承 - デビューを飾ったTX-1000系、TX-2000系のシリーズ性を感じさせる」「進化 - 技術の進化に合わせた最新技術を採用する」「洗練 - 良い印象を残し、次世代につなげる」を掲げ、現行車両で培った技術をさらに発展させた最新技術も採用しつつ、斬新なデザインの車両となっている。
外観は現行車両と比べて車体前面の傾斜を強くし、ヘッドライトの形状も変更。つくばエクスプレスのコンセプトカラー、ブルーとレッドを車体色に取り入れ、斜めのラインでスピード感を表現する。前面窓はメンテナンス性を考慮し、シンプルな構成とする。
車内は清潔感・開放感のある内装デザインとし、座席のクッション性を改良することで座り心地も向上。吊り手を増やし、混雑時や車両動揺に対する安全性向上を図る。座席横の仕切りと荷棚、連結面に透明な強化ガラスを採用し、車内の見通しも改善する。
各ドア上部に42インチハーフの大画面液晶車内案内表示器が搭載され、乗換案内や駅設備案内に加え、訪日外国人向けに英語・中国語・韓国語の情報提供も行う。1編成(6両編成)の全車両で、範囲を明確にしたフリースペースとUD(ユニバーサルデザイン)シート、優先席を設ける。大窓ガラスにUVカットグリーンガラスを採用し、紫外線を抑制する。
車内のセキュリティ向上のため、全車両のドア上部4カ所に防犯カメラを設置。異常時の状況を適切に分析できるように、前方監視カメラも搭載する。照明装置にLED照明を採用し、主制御装置にSiC素子を適用するなど、電力量の削減にも努める。