MINIは基幹車種に位置づける「ハッチバック・モデル」(3ドア/5ドア/コンバーチブル)を改良し、販売を開始した。コアモデルで往年のMINIファンに訴求しつつ、ニューカマーには別のボディタイプで接近するMINIの戦略は奏功しており、販売台数も堅調に推移している。
デザインはMINIらしく、英国らしく
MINIはBMWグループのブランドで、クルマとしてはハッチバック・タイプの「MINI」(全3種類)、「やんちゃ」というブランドイメージを大人っぽく成長させたという「MINIクラブマン」、プラグインハイブリッド車(PHV)もラインアップするSUV「MINIクロスオーバー」の5つのボディタイプをそろえる。
今回はハッチバック・タイプの3車種である「3ドア」「5ドア」「コンバーチブル」(屋根が開閉可能)を改良した。MINIのプロダクト・マーケティング・マネージャーを務める生野逸臣(せいの・いつおみ)氏は今回のモデルチェンジを「ぱっと見だと変わらないが、確実に進化した」と表現。主な変更点はデザイン、トランスミッション、コネクテッド機能の3カ所だという。
デザインの面では、まずヘッドライト(昼間でも点灯しているドライビングライト)が完全な丸型になった。これまでの「MINI」は円の一部が途切れていて、そのミッシングリンクの部分はウィンカーになっていたが、今回のモデルチェンジで完全な丸型となった。生野氏によると、「丸型」はミニにとって非常に重要なデザインのモチーフであるとのこと。例えば車内のセンターパネルも丸い形をしている。
デザインでは他に、ブランドロゴをこれまでの立体的な意匠からトレンドに合わせた平面的なものへと改めたり、テールライトにMINI発祥の地である英国の国旗「ユニオンジャック」をあしらったりしたとのことだ。
コネクテッド機能を日本で初採用
走りの面では、MINIのDNAでもある「ゴーカート・フィーリング」への原点回帰を狙ったという。具体的に変わったのはトランスミッションの部分。これまでは「トルクコンバータつきオートマチックAT」だったところ、ガソリンエンジンモデルに「7速ダブル・クラッチ・トランスミッション(DCT)」を採用した。DCTはマニュアル・トランスミッション(MT)のようにギアが噛み合う構造で、操作性としては「よりダイレクトな運転フィール」が感じられて「シフトショックが少ない」ため、運転する楽しさを感じられるというのが生野氏の説明だ。
車載通信モジュールでクルマがネットにつながる「MINI Connected」は、日本では今回のモデルチェンジからの採用となる。具体的には、事故のときにオペレーターと会話できる「SOSコール」や、スマートフォン向けのアプリなどが使えるようになる。
アプリでは車両の位置をサーチしたり、ドアロックを開閉したりすることが可能。事前にスマホで調べた目的地情報をクルマのナビに送信しておくこともできる。対応する機種はiPhoneのみで、アプリの配信は7~8月の予定。アプリをスマホのカレンダーと連動させれば、目的地までのクルマでの移動時間を逆算し、出発時刻に通知してくれる機能も使用可能だという。