ついに始まったゴールデンウィーク。マイナビニュース読者の中には、「旅行や帰省など外出の予定がまったくない…… 」と途方に暮れている方もいるかもしれません。そんなあなたの為に、ダイヤモンド社の書籍編集者に、連休中に読んでおきたい5冊のビジネス書を聞いてきました!


シンプルな問いで本質をつかむ思考法

  • ゴールデンウィークに読みたい! ビジネス書担当のオススメ5選

    『Q思考』(ウォーレン・バーガー=著、鈴木立哉=訳 / 定価1,600円)

どんな仕事でも、新たな発想や企画をしたり、実際に新たな商品やサービスを生み出すことは重要だ。一方で、誰もが斬新なこと、他を圧倒できるようなアイデアを探しているのがビジネスの競争の場なので、自分だけ抜きん出た「すごいアイデア」を出すなどそう簡単にできるものではない。では、どうすべきか。本書のノウハウをぜひお勧めしたい。

本書は課題と対峙するにあたっては「答え」ではなく、「問い」を考えることこそが重要と説いたものだ。たとえば、仕事で「売れる商品」を考えつかなければいけないのであれば、「なぜ売れることが必要なのか? 」「そもそも売れなくてはならないのか?」など、問題の前提まで問い直すような問いを見つけることで、他とはまったく違う答えに辿りつくことができるという。

本書では、そんな斬新な問いを見つけるためのノウハウが、さまざまな具体例と共に数々紹介されている。ビジネスでの頭の使い方が大きく変わる一冊だ。

あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法

  • 『SPRINT 最速仕事術』(ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー、ブレイデン・コウィッツ=著 櫻井祐子=訳 / 定価1,600円)

「SPRINT」というのは、Googleでジェイク・ナップ氏が開発した仕事のノウハウだ。商品やサービスのアイデアを5日間で全部出しきって試作品をつくりあげ、顧客テストまで行うというもの。

ビジネスというのは、単純化すると、売れるもの(またはサービス)を考えて売ればいいだけだ。にもかかわらず、それがうまく行ったり行かなかったりするのはなぜかというと、「思ったほど売れない」ということが起こるから。

であれば、「売れる/売れない」を一か八かで考えるのではなく、プロジェクトにコミットする前に「売れる/売れない」の予想を可能な限り正確に詰めてから動くのが合理的ではないか、というのがこの「SPRINT」の考え方。実際、Googleでは日々、次々とあらゆるプロジェクトでこの「SPRINT」が行われている(日本では、クックパッドが積極的にこの方法を取り入れている)。

プロジェクトが始まる前から5日間も時間を取り、クリエイティブなアイデア作業に費やすのはなかなかきつい。だが、最初に徹底的に頭を使う作業をすることこそが、結局は効率がいいものだ。ビジネスの成功確率を最大化する方法としては、最高のシステムの1つといえる。本気で仕事に取り組んでいる人はぜひ一読してみほしい。

マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった事

  • 『いい努力』 (山梨広一=著 / 定価1,500円)

マッキンゼーで長年活躍した敏腕コンサルタントによる仕事論。『SPRINT 最速仕事術』はチームで取り組む方法だが、こちらは、最も成功する確率の高い「個人の働き方」について書いたもの。

長年にわたって多くの会社のプロセスや働き方の改善に成功してきた著者だけあって、その考え方はきわめて明快かつ妥協がない。そして、やはり本書でも「フロントローディング」、つまり、最初にいちばん負荷がかかることをやることこそが、大きな成果に向かう最善の方法だということが語られている。

そうすべきかなと内心ではなんとなくわかっていても、やはりきついことをがっつり最初にやりたくはないものだ。しかし本書は、そんな負荷を引き受けた働き方こそが、いちばん仕事を前に進めるパワフルな方法だということをさまざまな切り口から教えてくれる。

メッセージはハードだが、75のシンプルなアドバイスに落とし込んでいるのでさくさくと読める。ぜひ気軽に読んでみてほしい。働いていくうえで一生のバイブルとなり得る一冊だ。

人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

  • 『GRIT やり抜く力』(アンジェラ・ダックワース=著、神崎朗子=訳 / 定価1,600円)

本書は、何事においても成功するには(IQや持って生まれた才能などよりも)「やり抜く力」こそが最も重要だということをさまざまな研究事例を用いながら説いたもの。自分の「やり抜く力」や子どもの「やり抜く力」を高める方法までフォローしている。

「成功するにはやり抜く力こそが大事」と聞いた多くの人の感想は、「そうだろうね」というものかもしれない。だが、「わかっちゃいるけど……」くらいに思っていた人も、本書を読むと「ここまで言われたら、やらざるを得ない」に変わる。説得力あるさまざまな例証やエピソードが激しく背中を押してくるのだ。

さらに、「やり抜く力」は物事をやり抜くにしたがって上がるという性質があるので、日々やり抜いていく人はますますその力を伸ばしていける。まずは本書を読むことが最初の一歩になって、そんな好循環につながっていくはずだ。

外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法

  • 『新・独学術』(侍留啓介=著 / 定価1,500円)

本書はビジネスパーソンが知力を上げていくにはどんな勉強をすればいいかについて書いたものだ。著者の定義によると、賢さとは「知識量」と「論理力」の総和。ではその「知識量」と「論理力」はどうすれば上げられるのか。

意外にも、著者が勧めるのは大学受験用の学習参考書。たとえば「現代文」の問題は論理力を高めるのに最適だし、政治・経済等の参考書や問題集では、ビジネスパーソンが知っておくべき教養レベルの「最重要の知識」を問題付きで集中的に学ぶことができる。英語力を最速で上げる方法や、プレゼン力を上げる方法なども多数紹介している。

著者自身がスピードの速い外資系コンサルタントの世界で、どうすればより速く成長していけるかと切実に試行錯誤する中で獲得してきた方法なので、非常に実践的だ。ぜひ読んでみてほしい。


初日から何もすることがないあなた! 是非これらの書籍を手にとって有意義な連休を過ごしてみては、いかがでしょうか?

※価格は全て税別